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□慈愛の笑顔で
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攘夷時代




『銀時が負傷した』

そう伝えてきたのは桂だった。
だから、どうした。とは聞かなかった。桂が言いたいことなど分かっていたから。


銀時の部屋へ足を向ける。部屋の前に立ち襖を開ければ着流しを着た銀時が座っていた。

「あれ、高杉じゃん。どうしたの?」

「怪我したらしいじゃねぇか」

「あぁ?こんなのどうってことねぇよ」

そう言って銀時は手をひらひらと振ってみせる。しかしその顔は赤く、うっすらと汗も掻いていた。


(馬鹿が……)


桂の話では腹を負傷したらしい。しかも、他人を庇ってだ。銀時の他人を護ろうとする性分はもう仕方ないとは思う。

だが、だからと言って自分の知らないところで、この男が誰かのために怪我を負うというのは頂けない。


全く持って、不愉快だ。


高杉は舌打ちをすると手に持っていた手拭いを投げつける。

「うわっ!!」

「それで体拭いて、さっさと寝ろォ」

「あ?平気だっ…」

「俺が拭いてやってもいいんだぜェ?」

「……大人しく拭かせて頂きます」

「フンッ」

銀時の返事を聞き高杉は部屋を出て行った。








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