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□泣かないでおくれ
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現代
二ヶ月前に第二次攘夷戦争が幕を下ろした。
攘夷戦争時代後期、英雄と呼ばれ活躍した四人の人物によって起こされた第二次攘夷戦争は初めこそ天人が有利であったが、後半は圧倒的な戦力、戦術によって攘夷軍が勝利を収めた。
こうして天人と地球人の平等な世界が確立し平和な日常が続いている訳だが…。
「だーかーら!何でテメーは分かんねぇんだよ!!」
「分かってねぇのはお前だ!俺は一人でも平気だっつってんだろ!!」
新八は困惑していた。そんな新八の目の前には高杉と銀時。万事屋を訪れ家に入ると居間の方から怒鳴り声が聞こえ、居間を覗けば二人が喧嘩をしていた。
高杉と銀時が恋仲だということは倒幕の際に知った。紅桜や真選組の伊東の件のこともあり、初めこそ何かの冗談だと思った新八だったがお互いを信頼し大切にしあっている姿を見て冗談ではないなのだと気付いた。
それからは何だかんだと高杉とも親しくなり好感を持って接していたのだが。
「……神楽ちゃん、何コレ…」
「夫婦喧嘩アル」
居間の隅の方で高杉と銀時の喧嘩を見ていた神楽に話し掛ける。
「何でまた…」
はぁと溜め息をつく新八だったが直ぐにその疑問は解決された。
「いいから一緒に棲むぞ!!」
「棲まねェ!!」
「んなこと言ったって、テメーのことだ!酒ばっかで食事しねぇだろ!そんなんじゃ体に悪いだろうが!元々、体弱ぇのに更に弱くしてどうする!」
(あぁ、なるほど…)
新八は内心納得しながら頷く。
銀時と恋仲と分かってから知ったことだが高杉は偏食であった。
元々、食が細いのか放っておけば酒ばかり飲み、好き嫌いこそあまりしないが偏った食事ばかりする。
しかも、一度体調を崩すとなかなか治らない質で体もあまり丈夫ではない。
高杉が一人で暮らせばそんな事の繰り返しになるのは容易に想像出来る。
だからこそ銀時が一緒に棲もうと提案しているのだろうが、これを高杉が良しとしない。
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