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□泣かないでおくれ
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「とにかく、一緒には棲まねェ」

「こんの分からず屋が…!」

否定し続ける高杉にそんな高杉に諦めず突っ込む銀時。そんな二人の喧嘩は更にヒートアップしていく。

「もうこうなったら銀さん泣いちゃうからね!?見せてやるよ!大人の男の大号泣ってやつを!!」

「おーおー泣け泣け、お前が泣いたって俺の意思は変わらねェ」

「鬼!人でなし!」

「そりゃぁ“鬼" 兵隊総督だからな」

「ちきしょう!コイツめんどくさい!!」

何だか少し話がズレていっているような感じもするが二人の言い争いは止まらない。

「どうしようか、神楽ちゃん」

新八が困ったように眉根を寄せながら、神楽に言葉をかければ神楽はやれやれと首を振りながら口を開いた。

「仕方ないアルな」

そう言うと神楽は喧嘩をしている二人へと近づく。正確には高杉のほうへ。

「晋ちゃん…」

「あ?何だチャイ、ナ…む、すめ…」

高杉が驚いたように目を丸くし声を詰まらせる。

神楽は瞳に涙を沢山溢れさせ眉を下げながら高杉を下から見つめていた。

「オ、オイ…」

「私、晋ちゃんのこと大好きネ」

高杉の台詞を遮り神楽は言葉を紡ぐ。

「だから晋ちゃんが風邪引いたりしたら心配ネ、嫌アル」

「うっ…」

「ねぇ、晋ちゃん…一緒に棲もう…?」

うるうるとした青い瞳に見詰められる高杉。

「駄目…アルか?」

うぅうう、と顔を歪める神楽に高杉は慌てたように口を開く。

「分かった!一緒に棲んでやらァ!だから泣くな!」

「本当アルか?」

「あァ…」

「ありがとうアル、晋ちゃん!」

そう言って抱き付く神楽に高杉はへーへーと頭を撫でる。しかし、抱き付く際に神楽がニヤリと笑ったことに高杉は気付かず銀時と新八だけが気付いていた。

「…神楽、恐ろしい子……!」

「神楽ちゃん…」

新八溜め息を吐きながら、これから賑やかになるなとこっそり微笑んだ。








泣かないでおくれ
(父は娘の泣き顔に弱いのです)










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