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□再会は甘く
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現代パロ
「では、卒業を記念してカンパーイ!!」
カシャンという乾杯の音が部屋に響く。
「いやー卒業出来てよかったー」
「おめでとうございやす、旦那」
「おー、ありがとうね総一郎くん」
「総悟でさァ、旦那」
笑いながら相変わらずの返事をする銀時に沖田は苦笑いをしながら酒に口を付ける。
「にしてもお前、よく卒業出来たな」
土方は何とも言えない黄色まみれのおつまみを食べながら口を開く。銀時と沖田はまるで別の生き物を見るかのような目つきだ。
「ま、まぁね。そりゃあそこは銀さんですから」
「へーへー、ま、頑張ったんじゃねえの」
そういうと土方は酒瓶を手に取り銀時のコップへと注ぐ。銀時はそれを受けながら先ほどの土方の言葉を頭の中で反芻しながら目を細めた。
(頑張った、ねぇ…)
ふと、ここにはいない現在絶賛留学中の男を思いだす。常にどこか人を馬鹿にしているような笑みを浮かべているくせに時々酷く優しげな表情をして自分を褒めた。
その顔を見るたびどこかこそばゆくて、嬉しくて。
(帰ってくんのは……あぁ、来月には帰ってくんだっけ)
卒業が決まったと電話を貰ったのが先週。来月には帰るという言葉に柄にもかかわらずはしゃいだ(勿論、電話を切った後に)。
こうもあの男を思い出すと今すぐにでも会いたくなってしまう。
そんな自分の欲を消すように銀時は頭を振った。その様子を土方と沖田は不思議そうに見ていた。
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