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□再会は甘く
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酔いも程よく回ってきた頃、ピンポーンと呼び鈴が鳴る。その音に土方は眉根を寄せた。

「誰だ?こんな時間に」

時計の針は十一時を指している。誰かが訪ねてくるには遅い時間だ。

「隣からの苦情ですかねィ。『うるせぇ、土方』っていう」

「なんで俺だけなんだよ!!」

「ほら、その声大きいですぜィ。自覚なしとは質の悪い」

「お前のほうが何倍も質悪ぃわ!!」

いつもの言い争いを横に銀時は玄関へと向かう。勿論、二人への指摘も忘れない。

「二人ともうるさい。はいはい、今出ますよー」

パタパタと小走りで廊下を通り玄関の鍵を開ける。

「はーい、誰ですか……!?」

銀時が扉を開けばいきなり抱きつかれた。突然のことに思わず銀時は固まる。

「オイ、どうした?」

「旦那ー?」

不思議に思った二人が顔を出せば驚きの光景が広がる。

「「なっ!?」」

銀時に知らない男(少なくとも自分たちは見覚えがない)が抱きついているではないか。密かに銀時に好意を寄せている二人にとっては怒るべき光景。

ハッと我に返った二人は地を這うような声を発し男を威嚇する。

「…テメー、何やってやがんだ…」

「旦那から離れなせェ…」

睨みながら口を開く。しかし、銀時に抱きついている男は何でもないかのように返事をした。

「あ?うっせぇ、邪魔すんじゃねぇ」

そういうと男は更に抱きつく力を強める。それに再び二人が反論しようとした瞬間、銀時が声を発する。その声は戸惑いと歓喜に染まっていた。

「え?ちょっその声まさか高杉…!?」

銀時は目を見開く。それもそのはず、つい数時間前に会いたいと思っていた留学中の男、高杉晋助だったのだから。

「おー、久しぶりだなァ。銀時ィ」

「え、あ、うん、久しぶり…じゃなくて何でここにいんの!?来月帰ってくんじゃなかったっけ!?」

驚きの声を上げる銀時に対し高杉はしれっと返す。

「テメーの声聞いたら会いたくなって、教授脅して卒業早めて帰ってきた」

高杉の言葉に反論する機会を逃した土方と沖田が混乱する。

((脅したって、えっ!!?))

どういうことだと疑問に思う中、銀時は小さく呟く。

「…馬鹿じゃねぇの」

その言葉に高杉はニィと口を歪める。

「それだけかァ?」

そういって腕の力を強める。銀時もそれに応えるように腕を高杉の背中へと回し顔を肩へとうずめ口を開く。

「…おかえり」

「おぅ」

柔らかな雰囲気を醸し出している二人をよそに土方と沖田は歯軋りする。

((誰だか知らんが取り敢えず、死ね!!))

二人の思いは高杉と銀時には届かなかった。









再会は甘く
(まず、お祝いの言葉を贈ろうか)








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