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□不甲斐ない僕らは、
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現代




「……何なんだ、この村は…」


土方が苦々しく顔を顰めながら吐き捨てるように呟いた。その言葉に同意するように銀時以外のメンバーは目を伏せる。


(どうしてこんな事になったんだ…)


空を仰げば鷹が弧を描いて飛んでいた。





















発端は何だったか、そう遠くない記憶を辿れば真選組局長、近藤からの旅行の誘いだったことが思い出される。

相変わらずのお妙へのストーカー行為。そんなことをしなければ、まだ見所のある(容姿は見なかったことにして)男なのだが、そんなこと求められるような人間でもなく。

しかし、そんな男には珍しく真っ正面から旅行の誘いを受けたお妙。旅費は全て近藤が持つと言っているし宿泊する予定の旅館も最近、江戸でも評判のところだった。

そんなメリットを考えた末に了承したお妙だったが、やはり日頃のストーカー行為でついたイメージはしっかりとお妙の身に染み着いているわけで。

旅行を了承する代わりに銀時たち万事屋も同行することを条件に出したのだ。初めこそ、渋っていた近藤だがこの際だ、と開き直り土方や沖田も誘った大所帯の旅行となった。


されど、いつもいつも此処というところでついていないのが近藤という男。旅行当日、お妙は急な仕事が入ったとかで不参加となった。もちろん、お妙は行くつもりだったのだが今日来る客が店の常連で尚且つお妙を気に入っているとあれば断るわけにもいかない。

近藤はショックに打ちひしがれ、それを見かねた万事屋に真選組二人は流石に哀れと思い近藤の傷心を癒やす旅行となった。







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