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□砂糖漬けの告白
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現代パロ ※転生
初めて今世で再会したアイツは、前のことなんて一つも覚えてやしなくて。
あれだけ、傷付けて置いて逝った自分に優しく綺麗に微笑むものだから。
直感的に『あぁ、自分はもうコイツに関わってはいけない』と思ったのだ。
だからこそ、自分は誓った。
『銀時のことは、好きにならない』
しかし、人生というものは本当に奇想天外で。予想も願いも簡単にはねのけてくる。
「結婚してください」
にこにこと白い頬をほのかに桃色に染め、前世では男としてかつて愛し、最期には傷つけ終わった今世では女、銀時に自分は頭を抱えた。
「……銀時、もう一度言ってみろ」
「結婚してください」
くらりと眩暈を起こす。あぁ、目の前の銀色の女は何をいっているのだろう。そもそも、
「ここは、アメリカなんだがなァ…」
何のために海外へ留学したと思っているのだ。目の前の女、銀時から離れるためだったはずなのに。
「父さんがアメリカに用があるっていうから付いて来た!」
(せんせええええええ)
今世では写真家である恩師があはははと笑っている姿が思い浮かんだ。何を考えていらっしゃるのか、あの人は。いや、きっと禄でもないことを考えていらっしゃるに違いない。あの人は今世で再会した時からそうだった。
「で、返事は?」
こてんと小首を傾げながら聞いてくる銀時はとても可愛らしいのだが、如何せん内容が内容だ。はぁと溜め息をつく。
「あのなァ、銀時ィ。そもそも俺たちは付き合ってすらいねえ」
「じゃあ、付き合ってください」
そういう問題ではないだろう、とさらに頭を抱える。本当に人とは変わるものだ。前世では積極的な女は好きではないと豪語していた人間が、今世で女になった途端、自分自身が苦手としていた積極的な女へとなったのだから。
今世で再会しまた、幼なじみとして育った(桂も一緒なのだがこれは不可抗力である)銀時は昔から自分にアピールをしてきた。初めこそ顕著だったものの、自分が相手をしないと分かるや否や猛がつくアピールをしてくるようになった。それは、もう出逢う度にやれ結婚してくださいだの、付き合ってくださいだの上記でやったような会話が続くのだ。
これには、先生を初め自分たちの周りの人間は生暖かく苦笑しながら、けれど満更でもないような顔で見守るものだから、さあ大変。年を重ねるごとに激しくなるアピールに耐えかね自分は海外へと留学を決意した。
これには流石に追ってこれないだろう、とほくそ笑んでいた頃にこれだ。
額に手をやりながら溜め息をつく自分を見かねて銀時は言葉を重ねる。
「だって、諦めれねーんだもん」
そう言って笑う銀時に本日、二度目の眩暈に襲われた。
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