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□クリスマスローズは伝える
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現代




花弁の丸い白い花。可愛らしくも凛と咲く花は純粋に綺麗だと思った。


「クリスマスローズ」


それがその花の名前だと、銀時がいった。
冬に咲くバラ。

花の少ない時期に開花して、荒れた大地に自生するような強さを持ってる。冬の凍った大地で、雪を持ち上げて開花することから「雪起こし」なんても呼ばれてる。


「見た目そんな可愛い感じして、結構強い花なんだぜ?」


だからやる。


それだけ言ってあいつは、真っ白な世界に消えた。言うだけ言って帰るとは何と勝手な男だ(といっても、自分も相当勝手な男だと自覚はしている)。結局、どうすればいいか分からないので、適当に部屋に置いてみた。見れば見るほど自分に似合わない花である。強い花だからやる、なんて言われたがそれは自分も強いというそんな意味なのか。だが、あの素直じゃないひねに捻くった男に限ってそんなことはないはず。毎日、その花を見てはそんなことばかり考えていた。


「珍しい花を飾ってるでござるな」


部屋を訪ねてきた万斉があの花を見てそう呟いた。どうしたのだ、と聞いてきたので貰ったと答えた。誰からとは言わない。万斉も鈍い男ではない。薄々、自分が銀時と会っていることにも気付いているだろう。それをわざわざ物申さないところはこの男の長所であるなと思う。


「にしても、貰うには少しばかし寂しい花でござるな」

「なんでだァ?」

「花言葉でござるよ。『追憶』『私を忘れないで』『私の不安を取り除いてください』」


すらすらと万斉の口から紡がれる花の言葉の意味を聞き、ようやくあの男がこの花を渡した本当の理由が分かった。なるほど、確かに毎日あの男のことばかり考えて思う日がないなんてことはなかった。だが…


「…やっぱ、馬鹿だなァ」


忘れる日など今まで一度としてなかったというのに。


ふわりと紫煙が舞う。今日あたりにでも訪ねてみようか。『慰め』と『いたわり』を持って。そうだ、そういえば今日はクリスマスではないか。あの花と同じ名前。

雪は止みそうにない。



クリスマスローズは伝える
(私を忘れないで、そんなこと分かってる)





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クリスマスローズ
クリスマスって名前が入っているだけで選びました。単純ですねてへぺろ。
他に花言葉は『スキャンダル』なんてものもありましたが使いませんでした。というか使えない。スキャンダルってどんなスキャンダル。なに高銀が結婚すんの?それはスキャンダルだねいっちょ撮影会に行ってきます←

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