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□巡り愛
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あっという間に本日の授業が終了し、下校の時間となる。まあ、銀時は授業中寝てばかりなので、終わるのが早く感じるのは当たり前なのだが。

下校の準備をしていれば、いつものメンバー達がやってくる。


「銀ちゃん/旦那、一緒に帰ろうヨ/帰りやしょう」


同時に同じことを言ってくる二人に銀時は、苦笑いをする。


「何言ってるアルか、サド。銀ちゃんは私と帰るネ」

「テメーこそ何言ってんでィ、チャイナ。旦那は俺と一緒に帰るんでィ」


睨み合う二人に、慌てて仲裁を入れる新八。


「ちょっと二人とも!!喧嘩しないで皆で帰ろうよ!!」

「「うっせぇ、黙れ眼鏡」」

「眼鏡ってなんだァアアアア!!」


この三人は、今世では銀時の一個下の後輩だ。神楽は中国からの帰国子女である。


「いいから、テメーらは騒いでねぇでさっさと帰るぞ」


騒ぐ三人を宥めながら下校を促す土方。彼は自分と同い年で、一個上には近藤と新八の姉、妙がいる。


「銀時、帰り貴様の家へ寄っても良いか?久々に先生に挨拶したくてな」

「わしも行きたいぜよ!!」


桂は前世同様、幼少からの付き合いで松陽を尊敬しており、こうして時々家に寄ってくる。坂本は土佐からの転入生で、松陽に会ってからは桂同様尊敬している。


「へーへー、いいですよ。つうわけで、テメーらさっさと帰るぞー」

「あ!!待ってヨ、銀ちゃん!!」










騒がしくも楽しい下校。

神楽と沖田が喧嘩をし、それを新八が止めようとするが返り討ちにされてしまう。
それを土方は呆れながら傍観し、桂と坂本は呑気に笑っている。

角に差し掛かった時、神楽は沖田と喧嘩をしていた弾みで、神楽は角から曲がってきた人にぶつかってしまった。


「いたっ!!」

「あっ!!」


神楽は慌てて振り返る。


「ごめんなさいアル。よそ見してたネ」

「気をつけるッスよ!!」


銀時はぶつかった相手を見る。
肩まである金髪に、ここから近くにある高校の制服。顔を見た時、銀時は内心驚く。


(あの子は……)


確か鬼兵隊の、


「また子殿、どうしたでござるか?」

「どうせ、あなたのことですから人にでもぶつかったんでしょう」

「うるさいッスよ、武市変態」

「変態じゃないって、先輩だって」


後ろから次々に懐かしい顔が姿を現す。

来島また子
河上万斉
武市変平太

かつて、銀時たちと敵対していた鬼兵隊の幹部。あの男の部下だったものたち。


(まさか……)


銀時はある予感を感じる。それが正しいことはすぐに証明された。



「なにしてんだァ、テメーら」



懐かしい声。
銀時の心臓が大きく跳ねる。

目線を上げれば、ずっと会いたくて、会いたくなかった男。

向こうもこちらの視線に気づいたのか、目線をこちらに向け、銀時の顔を視界に入れるや否や、鉄色の瞳を丸くし顔を驚愕に染める。



「……銀時」



男、高杉に名を呼ばれた瞬間、銀時は激しい頭痛に襲われた。


「っう!!」


痛みに耐えることが出来なかった銀時の身体は、そのまま前へと倒れる。


「銀ちゃん!!」

「銀時!!」


慌てて桂たちが支えようとするが、その前に高杉が倒れてきた銀時を受け止める。


「高、すぎ……」


銀時は高杉の名前を呟くと、そのまま意識を失った。











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