short
□青春
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空はどこまでも青く、太陽の日が暖かい。
もう一眠りしようかとぼんやり考えていればバンッという扉の開く音。
見ると、幼なじみの銀時が立っていた。
「お、高杉みっけ」
「何か用か、銀時ィ」
「いや、朝学校来てみればお前いねぇしよ。ここかなぁと思って来たら、予想通りいたってだけ」
「ククッ、そうかい」
要するに用はなかったが、自分がいなかったからわざわざ捜していたということ。
自分のことを考えながら、ここまで来たという事実に嬉しくなる自分がいた。
そんなことを考えている高杉に寄る銀時。
隣まで来れば、高杉と同じようにコンクリートの地面に寝転がる。
銀時の目に、先ほどまで高杉の視界に入っていた青が映る。
「おー…気持ちい」
銀時は欠伸をすると、目を閉じる。
「なんだ、寝るのか?」
「いやぁ、昨日夜中まで起きてたもんだから……眠くてよ…」
「授業は?」
「……サボる…」
「お前単位ヤバいとか言ってなかったかァ」
「そん時は、晋ちゃんよろしく」
「へーへー」
高杉は苦笑し、もう一度空の青と隣で眠る銀色を目に映してから瞼を落とした。
屋上が僕らの特等席
(一日の始まりなんて、きっとこんなもん)
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