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小ネタ・突発文・練習文
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◆万事屋高杉と真選組副長銀時
現代 ※万事屋高杉 真選組副長銀時
『きっと、帰ってくる』
そう言ってまるで幼い頃のように小指と小指を絡めて約束をした。
それは恥ずかしくもあったが、これで男が無事に帰ってくるというのなら羞恥など関係なかった。
『必ず、必ず』
最後まで己の大好きな鉄色の瞳を優しく緩ませながら言い聞かせるように言葉を紡ぐ男の背を己は見送った。
あぁ、行っては駄目だ
お願いだ、戻ってきてくれ
いつの間にか己の周りは暗い暗い闇に包まれていて、だんだんと色を無くしていく。必死に背を向ける男に手を伸ばして追いかけようとするが、足が地面に縫い付けられたように動かない。
『 !』
名前を呼ぶがそれは音とならず暗い闇の中に溶けてしまう。それでも呼ばずにはいられなくて、叫ぶように喉を震わせ手を伸ばした。
けれど男は止まらない。
あぁ、待ってくれ
駄目だ
頼むから
俺を置いていくな
じわりと視界が歪む。そして、一際大きな声で目の前の男の名を呼んだ。
「っ高杉…!!」
伸ばした手は空を切り視界には見慣れない天井が写り銀時は目を覚ました。
「はぁはぁ…」
上がった息を落ち着かせるように大きく息を吸い込み身体を起き上がらせる。
(夢……)
じとりと嫌な気持ちの悪い汗が頬を伝う。高杉が戦へと赴くのを見送ったときの夢。最後にアイツを見たときの夢。
約束をしたのに結局あの男は己の元へなど帰ってきやしなかった。生きているのかましてや死んでいるのかも分からぬまま。
ふと窓を見る。己の嫌な気分とは裏腹にからっと晴れた青空。
(あぁ、そういえばあの日もこんな風に晴れてたな)
そのことを思い出すと普段は好きな青空でもどこか憎くもあった。そして己は支度をするべく布団から抜け出し壁に掛けておいた黒い制服に手を伸ばした。
2012/07/27(Fri) 22:16
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