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小ネタ・突発文・練習文
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◆万事屋高杉と真選組副長銀時2 





潮の香り。鼓膜を震わせるのはザァザァという波の音。からっと晴れた青空には熱く輝く太陽。その光が海へと反射しきらきらと輝いている。

「これだけ聞いてると何とも素晴らしい場所に聞こえやすが、実際はただの寂れた港なんですよねィ」

「無駄グチ叩いてねえで集中しろ、総悟」

いつ奴さんが出てくるのか分からないのだから、と目線で伝えてくる隣の上司に沖田は息をつく。

「せっかく今日は旦那が京から帰ってくるっていうのに迷惑な奴らでィ」

ぼそりと不満を漏らす。その顔は年相応に幼く口を尖らせていた。

(こいつにこんな顔させられんのは近藤さん以外にゃあの天パ野郎だけだな…)

真選組を結成してまだ日も浅かった頃。ある日いきなり松平が連れてきた銀髪天パの男。今までどこにいただとか何をしていただとか何も教えてはくれなかった。けれどいつの間にか自分たちの中に溶け込んでいて、あの近藤さんにくらいにしか懐かなかった総悟も『旦那、旦那』と慕うようになった。

その男が京の仕事から何年間振りにこの江戸へと帰ってくるという連絡を貰ったのが三日前。急に決まったのだと、電話口に疲れたような声音で話していた。自分も何かとあの男とは対立していたが、久しぶりに会うとなるとやはり懐かしくもあって今日はあまり突っかからずおとなしくしといてやるかと考える。

思考に耽っていれば「土方さん」と隣の部下が声を掛けてきた。見れば目を付けていた奴さんが古い倉庫へと入っていく。それを見た途端、さっさと終わらせようと自分は手をあげ突入の合図をあげた。

2012/07/27(Fri) 22:17

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