‡RED SKY‡

□〜第一章〜
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〜関ヶ原・東軍本陣〜

「…いよいよだな…」

空を見上げながら呟くのは―動きやすく緩く仕立てられた欝金染めの袴の足元を毛靴で固め。腹が露出する金の胴丸に袴と同じく欝金色に染め抜かれたフード付きの短蘭羽織を着、短く刈られた茶色の髪、幼さを残しながらも強い意志を宿す瞳、そして両手を分厚い山金の手甲で覆った―姿も性格も…まるで太陽の様な男―"東照権現"徳川家康

「なぁ、忠勝―」

空を見上げたまま呟くその背後には―人を超越した巨体を鋼鉄の装甲に包み。最早"槍"と呼べる様なものではない巨大な機構槍を携えた―徳川の守護神―"戦国最強"本多忠勝の姿があった

「………!!!」

その体から甲高い起動音が発せられる
他の者には汲み取れぬその意味…家康はその意味を全て理解しているように―言葉を紡ぐ

「そうだな…ワシが―ワシ等が平和な世を作る…一刻も早く…成したいものだな…」

…と

「………!!!」

忠勝もまた、答えるように起動音を発する

かつての己が身の未熟さを悔い、恥じた日々を糧に…黄金の偉丈夫は守護神と共に戦場に立つ

平和な世を…創ると誓って――
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