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□僕と君が過ごした時を思い出しながら見送って 前編
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※死ネタ
JULEPS 旅/立/つ/日 パロ







数ヶ月前から体がやけにだるくて咳も続いていたから病院に行った

そして告げられた






「もってあと半年です」






<君と僕が過ごした日々を思い出しながら見送って>






頭が真っ白になったがどうにか冷静を装って医者の話しを聞く

どうやら俺は肺ガンらしい
しかも末期
ガンが肺中にちらばっていて手術もできない

いますぐ入院し抗がん剤を受ければ死期を延ばせる、と入院することを薦められたが断った
ベッドの上で、体中に管という管を付けられて苦しみながら死ぬなんて冗談じゃねぇ

それにホスピスに入るにしても、俺の他に待ってるやつも五万といるらしい

だったら尚更残り少ない命を有意義に使わなきゃもったいないだろ?

そう医者に言うと苦笑いされた
「気休めの薬を出しておきます
決して無理はなさらないで下さいね、不動さん」







病院からの帰り道、残り六ヶ月で何をするか考えた

サッカーはしたい

もちろんギリギリまで

その他やりたいこと…特にねぇな

金は六ヶ月の間生活するには十分すぎる程ある



「なんだ?これ」



家のポストに入っいたのは同窓会の葉書だった

しかもイナズマジャパンの


普段なら欠席に丸をつけてポストに投函するが、最後に一回出てもいいか、と出席に丸をつけてポストに投函した







同窓会の当日
場所は稲妻町の河川敷
サッカーしてからの飲み会という流れだ
主催はきっと円堂だな
そう思いながらグラウンドへと降りていった





「不動!?」
「めずらしいな、お前が出席するなんて」
「初めてイナズマジャパン全員揃ったな」
「明日は雪でも降るんじゃないか?」
「鬼道クンその言い方は酷くない?」
「でも不動くんが来てくれて良かったよ
皆でサッカーやるの久しぶりだしね!」
「またいっちょ昔のようにやろうぜ!」







やいのやいのやってるメンバーを見てハッとした




こんなやりとりも最後か、と





「どうした不動?」
「…なんでもねぇ
ほら行こうぜ?円堂が待ちくたびれてる」
「そうだな」
「みんなー!!!!!!サッカーやろうぜー!!!!!!」
「「「「「おぅ!」」」」」








医者からは激しい運動を控えるようにと言われたが、今日だけは思いっきりサッカーがしたい、と素直に思った



…もうこうやってサッカーするも最後かもしれないのだから





流石元イナズマジャパン
今も殆ど現役のサッカー選手なだけあって必殺技炸裂だ
…こいつら結構本気だな







「不動!」
「いけ!不動!」






皆の声援も後押ししたのか、本気になってしまった
素直に楽しい、と思った






だが






「っ!
っげほっごほっごほっごほっ!!」
「不動!?」
「ごほっごほっごほっ!」
「不動!大丈夫か!?」






咳が止まらない
皆が俺の周りに集まってきて、心配そうに見つめている




だめだ、ここでは
サッカーするために集まったのに





そう思うも俺の体に巣食う病は俺からサッカーの楽しみを奪っていった




「げほっごほっ…がはっ」
「不動!?」
「…ハァハァ…」




血を、吐いた
呼吸する度にヒューヒューという音も聞こえる
周りの奴らは青い顔をして俺を見ている



…あーあ、めんどくせぇからこいつらには知らせずに逝きたかったのによぉ…




急に襲う眠気(疲労感)に勝てず俺の体は地面へと崩れ落ちた
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