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待ちに待った日曜日
金曜日の時点で先生に外出許可を貰った
…無理しないことが絶対条件だが



佐久間くんと源田くんの試合を生で見るのは初めてで凄く楽しみで、自然と笑みがこぼれてしまう


「えっと…帝国学園だよね…?ここ」



タクシーで帝国学園まで、とお願いして早30分
到着した場所を見て開いた口が塞がらなかった





「…ごっつ…」





学校なの?ここ、と思いつつも佐久間くんに電話をかける
ついたら電話くれ、迎えに行くから、と言われていたからだ



『もしもし』
「あ、佐久間くん?わたし」
『朔宵か?今どこにいる?』
「今多分正門にいるよ」
『わかった!ちょっと待っててくれ』
「うん、わかった」





電話をきって5分後に佐久間くんは来た
しかもユニフォーム姿で
いつも見ている制服姿とは違ってちょっと新鮮だった




「悪い、待たせたな
じゃあ行こうか」
「うん
にしてもほんとに学校なの?ここ」
「あー…まぁ初めて来たからそう思うだけさ」
「そっか…で今日はどこと試合するの?」
「今日はライバル校の稲妻高校とだ」
「稲妻高校は確か…」
「円堂や鬼道たちが通っているんだ
しかも、日本だけじゃなく海外のプロリーグ関係者まで見に来ているんだ!」
「え、そんな大きな試合に呼んでくれて良かったの!?」



そう聞くと佐久間くんは笑顔で頷いた


「多分俺たちにとってある意味最後の試合なんだ」
「どういうこと?」
「もうすぐ引退するんだ、俺たち
高3だから」
「だから最後って言ったのね…」
「そ
あ、着いたぜ」



佐久間くんに案内されたグランドは凄く広かった
屋内によくまぁこんなに広いグランドを作ったものだ
天井は開閉できるようになってるらしい(by佐久間くん



口を開けてぽかんとしてると佐久間くんにあきれられた
呆れることないのに!




「朔宵!」
「源田くん!約束通り来たよ!」
「俺たちのプレーしっかり見てってくれよ!」
「うん」
「朔宵、俺たちのチームメイトを紹介するよ」
「うん!」



佐久間くんがメンバーを次々と紹介してくれた
源田くんがちょろっと言ってくれた話によると、佐久間くんはなんでも副キャプテンらしい




「で、最後に俺たちのキャプテンの…って、あいつどこ行ったんだ?」
「ロッカールームにさっきまで居たぜ」
「じゃあ直に来るか
悪い朔宵、キャプテンはまた後で紹介するよ
ちょっと俺と源田は鬼道たちに挨拶してくるからな」
「いってらっしゃい」



笑顔で佐久間くんたちを見送ると、チームメイトの皆話しかけてくれた


「朔宵さん、聞いてた通りですね」
「え、佐久間くんたちからなんて聞いてたの!?」「儚そうな雰囲気を漂わせた美少女、よ」



そうニコニコ笑いながら話しかけてくれたのは成神くん
そしてわたしの疑問に答えてくれたのはマネージャーの小鳥遊さん


「!?
どこが!?」
「主に佐久間のフィルターがかったビジョンだからなんとも言えなかったけど…確かに可愛い顔してるわね」
「あ、有難う…」
「小鳥遊ももうちょっと女らしければなぁ…」
「うるさいわよ、デコ見」
「デコ見言うな!
しかもおまえ、この前のテーピングの時にわざと患部叩いただろ!」
「あらそうだったかしら?」



デコ見くん…もとい辺見くんと小鳥遊さんの間に火花が散っている
…どうすればいいの?この板挟み状況
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