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□Y
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※明王目線






朔宵から病気の話を聞いた次の日、俺はあいつに会いに行くために病室を訪れた
だが、そこにあいつはいなかった
諦めて病室を去ろうとすると、水谷とかいう看護師が通りがかったので朔宵は今どこにいるか聞くことにした




「あの、」
「あら、あなたはこの前の!」
「朔宵って今どこにいるか知りませんか?」



そう言うと水谷は一瞬ハッとしたがすぐに笑顔に戻って今検査中よ、と言った


「わかりました
有難うございます」
「あ、ちょっと待って!
あなた名前は?」
「不動明王です」
「…不動くんてもしかしてイナズマジャパンの…?」
「はい」
「そう…」
「…なにか?」



怪訝そうな俺の顔を見ると、あのね、不動くんにお願いがあるの、と言った


「お願い…?」
「そう、お願い」
…めんどくせぇ


そう思ったが口には出さず、なんですか?と聞く


「不動くんが退院するまででいいから、朔宵ちゃんに会いにきてあげてほしいの」
「…それがお願い?」
「えぇ
朔宵ちゃんのご両親は共働きで朔宵ちゃんはいつも一人なの
それに入院してる子供もあまり居ないし…友達って言っても佐久間くんや源田くんぐらいしか…」
「佐久間と源田があいつと…?」
「知ってるの?2人を」
「俺のチームメイトです」
「あらそうなの!
なんでも四年前に入院したときに友達になったとか…」



四年前っていうと真帝国か
「2人も忙しいみたいでなかなか…
だから不動くん、朔宵ちゃんの話し相手になってあげてほしいの
…あらいけない!
不動くん、よろしくねー!」


そう言いながら水谷は行ってしまった
…言いたい放題言いやがって
明後日には退院するんだけどな、俺





喉まであがってきたその言葉を飲み込んで、朔宵の病室を後にした
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