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□せんせいとわたしと ろく
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「シン!」
「なんだ?ジャーファル」
「なんだ?じゃありません!ここ、誤字ありますよ」
「え」
「しっかりしてください、あなたそれでも病院長ですか?」
「……」




あれからまるまる15年が経った
ジャーファルはその後手術を受け、今ではすっかり良くなっている
15歳の時、ジャーファルは家を出て一人暮らしを始めた
父親とも、今では良好な関係を築いているらしい
そして高校を卒業して専門学校に入り、医療事務関連の資格をとり、今年から俺付の医療秘書として働いている



かくいう俺はというと、病院長になっていた
前院長に病気が見つかり、院長職を辞することになったからだ
普通は副院長が院長になるのだが、院長が生前どうしてもと推して、俺になった
前院長は看護師のアリババの父親で、副院長のアブマド先生、眼科のサブマド先生とは異母兄弟だそうだ(最近知った
…そして今に至る




「はぁ〜やっと終わった」


大きくのびをすると、ジャーファルがお茶を持ってきてくれた
こいつの入れる緑茶は最高に旨い



「お疲れ様でした、シン
今日の仕事はこれで全部ですよ」
「そうか!
じゃあ帰るぞ、ジャーファル」
「はいはい
あ、その前に寄りたいところがあります」
「寄りたいところ…?」



どこだ?と考えてみるとジャーファルはふふっと笑い、言った





「ええ、あなたもよく知っているところですよ」
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