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□V
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「How I wonder what you 」
「おい」
「?」
「それ、キラキラ星か?」
「そうだよ
英語版だけどね」
「へぇ…」


不動はその少女の目をじっと見つめた
過去の自分と同じ目をした少女は不動の視線に戸惑ったのか、口を開いた



「あの、わたしの顔に何かついてますか?」
「…」
「あのー…あなたのお名前は?」
「…不動明王」


不動は少女の目から視線をそらしつつぶっきらぼうに言った


「不動くんっていうんだ
それでわたしに何か…?」
「用が無けりゃダメなのか?」
「ダメじゃないけど…」


答えかねていた少女をみて不動は口を開いた


「お前の名前は?」
「わたしは天満朔宵
ここに検査入院してるの
不動くんもここに入院しているの?」
「見りゃわかんだろ」
「…ごもっともです」


何かを言いたそうな朔宵の視線を受け止めていると朔宵ちゃんお待たせ、と言いながら看護師がきた
すると朔宵は立ち上がって不動の方を向いた


「じゃあね、不動くん
わたしこれから検査だから」
「明王」
「え?」
「明王でいい」


何故自分がこう言ったのか、わからなかった

「わかった
またね、明王」


笑顔で手を振りながら看護師と共に廊下を曲がっていく朔宵をみて、不動はニヤリとした



「天満朔宵か…」
俺き興味を持たせた奴は久しぶりだ
そう思いながら不動は病室に戻った



病室に戻った不動を待っていたのはイライラした佐久間とそれを宥める源田と鬼道だった



「不動!どこ行ってたんだよ」
「どこでもいいだろ?」
「人がわざわざ見舞いに来てやったっていうのに…!」
「まぁまぁ落ち着けよ、佐久間」
「せっかくの女顔が台無しだぜ?佐久間チャン?」
「…不動!!!」
「佐久間どうどう」
「離せ源田!!
一発殴らせろ!」
「やめないかお前たち!」

鬼道の鶴の一声で佐久間は諦めたらしい
ため息をつきながら鬼道は本題を切り出した


「完治までどの位かかるんだ?」
「三週間
ま、入院は一週間てとこだな」
「そうか」
「早く良くなるといいな、不動
あ、これ」
「…」


源田が渡した袋の中には林檎とバナナが入っていた
後で果物ナイフも買わなきゃな、と思いながら鬼道たちと談笑を楽しんでいると、鬼道が不動に話しかけた


「そういえば不動」
「あ?」
「お前今日機嫌が良いが何かあったのか?」
「…まぁな」




やっぱ鬼道クンにはかなわないわ
そう不動はさとった
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