テニスの王子様
□雨の帰り道
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しかし世の中には、色々な人がいるもので。
「大丈夫、節木さん?」
「その声は…!」
「漬物石くん!」
「大石だから」
おや、間違えたようだ。
漬物石くん…もとい大石くんは、そっと私側に傘を傾けた。
優スウィート←
「びっくりしたよ…どうしたの、こんな所で」
「傘、忘れたからさ。止むの待ってる」
見上げると、大石くんと傘の隙間から、灰色の雲が見えた。
「明日まで止まないらしいけど…」
「マジで?じゃ、もういーや」
──歩き出そうとした私の手を、大石くんがふいに掴んだ。