テニスの王子様
□伝えよう、お前に(上)
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ひよりのクラスに行くと、女子が俺の顔を見るなり悲鳴を挙げた。
…耳障りな事この上ない。
「節木ひよりはいるか?」
「節木?」
「節木なら、休み時間になるなり、女子に呼ばれてどっか行ったぜ?」
──瞬間、
俺の背筋を、悪寒が駆け抜けた。
まさか、まさか…
「礼を言う!」
「あっ、柳!?」
再び、俺は廊下を走った。
呼び出されるとしたら、体育館の裏の確率……89%
上履きを履き替えもせず、俺は外に向かった。
ひよりの無事を祈りながら。