テニスの王子様
□伝えよう、お前に(上)
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-ひよりside-
「やっ、止めて…!」
「煩いわね!切原君に媚売ってたぶらかした挙げ句、捨てるなんて!」
「違っ…そんなのっ!」
「何が違うのよ、このクズ!」
「…っ、!」
色んな所を蹴られて、殴られて、たくさん罵られて。
──もう限界だった。
別れないと、赤也君に嫌がらせする、と言われたから、別れた。
なのに、どうして──!?
「ひよりっ!ひよりっ!」
「れ、んじ……?」
涙で滲む視界の中、幼馴染みが駆け寄るのが解った。
「貴様等、ひよりに何をした…!」
「柳君!違うの!節木さんが切原君を──」
「去れ、今すぐに。さもなくば……」
普段は閉じている瞳は、今は怒りに燃えている。
蓮二の放つ殺気に怯えた女の子達は、走って逃げた。
「ひより…」
「蓮二…なんで…?」