テニスの王子様
□誕生日には抱擁を
1ページ/3ページ
pipipipi……
4月13日、午後11時58分。
俺のケータイに電話が来た。
<もしもし、白石?>
「ん?何やひよりか。どないしたん」
<ん〜?何か声が聞きたくなって>
「さよか。でも珍しいなぁ」
<何が?>
「ひより、迷惑になるからって、遅い時間に電話とかせぇへんやろ」
<今日は特別!>
「ははっ。まぁ、俺はいつでも大丈夫やで?可愛い彼女の声なら、いつでも聞いてたいしなぁ」
<ちょっ、馬鹿!恥ずかしいじゃんか!>
「えぇやろ。誰かが聞いとる訳やないし」
<…………>
「ひより?」
<せーのっ、>
《HAPPYBIRTHDAY、白石!/部長!/蔵リン
》
「え………皆、おるんか?」
<そっちじゃなくて!時間と日付見てよ!>
“4月14日 0時00分”
「俺の…誕生日」
<そゆこと!皆でお祝いしたかったんだ>
「…………」
<どしたの?>
「どないしよ、めっちゃ嬉しい。ついでにひよりがめっちゃ可愛えぇ」
<え?>
「今すぐ会いたい」
<えぇ!?>
「今から行くから、待っとってや!」
<えっ、ちょ──ブツッ>