テニスの王子様
□Let's study!
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「──だから、ここはX=4だっつってんだろ」
「分かんないよ〜ぅ…」
「何で分かんねぇんだよ、アーン?」
「分かんないもんは分かんないもん!」
今日、ひよりが唐突に"勉強を教えろ"とねだって来た。
あまりにもしつこいから、30分だけ教える事にしたのだが…
覚えが悪すぎる!
「あ〜〜〜〜!もうやだ!」
「お前が教えろとか言って来たんだろうが。──大体、何で急に勉強教えろーなんて…」
「景吾には関係ない!」
「アーン?」
わざわざ教えてやってんのに"関係ない"だと?
何様だよ、お前は!
「まさか、もうすぐ受験だからって、今更焦ってんのか?お前の成績なら、あの学校は平気だろ」
ひよりの成績は悪くはない。苦手分野はあるが、あの公立の高校なら大丈夫だろう。
「でも…このままじゃ氷帝高校に行けないし」
「…まさか、それが理由か?」
「だって景吾と一緒に居たかったから…」
───やべぇ、可愛すぎる。
だが、ここで甘やかすのはひよりの為にはならない。
俺はあえて、心を鬼にした。
「そうだな。このままじゃ離れ離れかもな」
「えーーーー!?」
不満そうな表情のひより。
大体、お前と離れるなんて、想像もつかない。
俺様は、欲しいものは全て手に入れる主義だからな。
「俺様も、お前みたいな面白い女と離れるのは御免だ」
「─────え?」
鳩が豆鉄砲食らった様な顔だな。…やっぱり面白い。
「30分延長だ!俺様と一緒に居たいなら、しっかり付いて来い!」
「うん!」
途端にキラキラとした笑顔を見せるひより。
───やっぱ可愛い。
「…景吾」
「アーン?またどこか分からないのか?」
「────ありがとね」
「……感謝の言葉より順位上昇!ま、俺様が教えてんだ。間違いなく氷帝高校に入れてやるよ」
まだ告白もしてねぇからな。
受験が終わっても、離さねぇよ。お前は、俺様のモンだからな。
*END*