テニスの王子様
□Valentineday kiss
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「……………無い……!」
私は今、とってもとってもとーーーってもピンチな状況にある。
今日は2月14日。つまりはバレンタインである。
クラスの仲良い子達と、チョコを交換するのも大事だけど…!
それ以上に、大事な人に渡さないと。
少し前から付き合い始めた、越前リョーマくん。
生意気で、無愛想で、スゴく面倒な性格だけど─────時々見せる優しさや、まだあどけない一面に、胸がきゅんとなる。
…ってのろけてる場合じゃなくてっっ!
「リョーマくんに渡すチョコ、忘れた─────……」
「俺が何?」
ふっ、と気配もなく後ろに、リョーマくんが現れた。
「何か、チョコ忘れたーとか聞こえたんだけど」
「え!?あっ、あのねっ!これには深〜い深〜い訳があって…」
「………ふーん…」
つまらなさそうに返事をすると、リョーマくんは私の手を掴んで、どこかへ引き摺って行った。