テニスの王子様

□小さな変化
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「ねーちゃぁぁん!」
「っきゃあ!?」

元気な声と共に、小さな、軽い体が、私に背後から抱き着いた。
そのまま両足を腰に絡め、おんぶのような大勢になる。

「と、遠山くん…あの、部活中だから、ね?」
「いーやーや!ワイはねーちゃんと一緒におるんやっ」
「えぇぇぇ…」

どこまでも自由人な後輩に、脱力しながら、白石くんに助けを求めた。
彼がにっこり笑いながら、その左手の包帯をしゅるしゅるとほどくと遠山くんは、

「ひっ、毒手はいややー!」

と、走って逃げた。
その無邪気な姿にクスリと笑みを溢すと、満たされた気分で、仕事を再開した。
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