テニスの王子様

□掌の第二ボタン
1ページ/4ページ

「おチビ、桃、海堂、ひよりちゃーん!」

元気な声に振り向くと、英二先輩がぶんぶんと手を振っていた。
その隣には、大石先輩。
少し後ろには、手塚先輩、不二先輩、河村先輩、乾先輩。

青学レギュラーの三年生が、一同に集まっている。

「英二先輩……」
「ッス」
「ご卒業、おめでとうございます」
「先輩方!おめでとうございます!」

四人それぞれに声をかけると、先輩方は「ありがとう」と返してくれた。

「節木…随分目が赤いな」
「そんなに僕達と離れたくないのかい?」
「大丈夫?はい、これで涙拭いて」
「ひよりちゃん、かーわいー♪」

大石先輩の気遣いに感謝しながらハンカチを受け取り、目の端に残った涙を拭った。

「ほ、とに…卒業、しちゃうんですか?」
「あぁ」

手塚先輩が、短く肯定する。

「大丈夫だよ。また遊びに来るから」
「ホントですか?」
「うん。約束」

宥める様に、不二先輩が頭を撫でてくれた。
その優しい温もりに、私の涙腺は崩壊した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ