テニスの王子様
□掌の第二ボタン
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「おチビ、桃、海堂、ひよりちゃーん!」
元気な声に振り向くと、英二先輩がぶんぶんと手を振っていた。
その隣には、大石先輩。
少し後ろには、手塚先輩、不二先輩、河村先輩、乾先輩。
青学レギュラーの三年生が、一同に集まっている。
「英二先輩……」
「ッス」
「ご卒業、おめでとうございます」
「先輩方!おめでとうございます!」
四人それぞれに声をかけると、先輩方は「ありがとう」と返してくれた。
「節木…随分目が赤いな」
「そんなに僕達と離れたくないのかい?」
「大丈夫?はい、これで涙拭いて」
「ひよりちゃん、かーわいー♪」
大石先輩の気遣いに感謝しながらハンカチを受け取り、目の端に残った涙を拭った。
「ほ、とに…卒業、しちゃうんですか?」
「あぁ」
手塚先輩が、短く肯定する。
「大丈夫だよ。また遊びに来るから」
「ホントですか?」
「うん。約束」
宥める様に、不二先輩が頭を撫でてくれた。
その優しい温もりに、私の涙腺は崩壊した。