:)不定期連載.

□:)君だけ 2
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ピピピッピピピッ


鳴り止まない携帯のアラームで重たい瞼を持ち上げて

もぞもぞとベットから起きあがる。


「んー……眠い」

くぁ、と一伸びしてから、布団から抜け出す


時刻は6:30

いつも通りの起床

それから、いつも通りの1人の空間。


玄関のすぐ側にあるキッチンに向かって、お弁当の準備をするのがいつもの日課

…そう。

私は高校1年にして、1人暮らし。


お父さんとお母さんは、
中学1年の時に家族3人で行った旅行で、亡くなった


それからはお婆ちゃんの知り合いが大家さんをやっているこのアパートに1人暮らしをしていて

お婆ちゃんが毎月家賃を仕送りで払ってくれている

携帯料金とか、公共料金とかは、なるべく自分でバイトして払ってるけど

たまーに大家さんが面倒見てくれてたり。

お世話になってます…ありがとう大家さん。


お婆ちゃんと一緒に住むって話も出たけど、
今の高校からお婆ちゃんの家までは片道2時間以上かかるし…

今のアパートは40分くらいで着いちゃう。

ちょっと無理かも言ったけど、
もともとしっかり者だった私は
お婆ちゃんの許しもあって1人暮らしができてる。


お母さんやお婆ちゃんから教えてもらった料理もなんとかできるし
もう大体な慣れたものだ。


「よし、美味しい」

うん、と頷いて、私はおかずをお弁当箱に詰めていく

卵焼きと、ウインナーと、煮物と、…ちょっと手抜きな冷凍食品


いやいや、今日はちょっと豪華だよ!
この前なんて全部冷凍食品だったんだから!

お弁当をサブバックに入れて、
アイロンしておいたワイシャツに袖を通す

人並みにスカートを2回折って短くして、
生徒の証である赤いネクタイを締める

高校と同時に暗めの栗色に染めた髪をアイロンして、
まっすぐのストレートにする

「…髪の毛、伸びたな」

ふと、鏡の前で胸位まで伸びた毛先をいじる

事故以来それどころじゃなくて、ずっと切ってなかったもんなぁ…
前髪も少し長くて横に流す始末。


「って、それどころじゃないっ! 行ってきまーす」

電車に間に合いそうになくて私は慌ててスクバわ肩にかけ、金属のドアを押した。

朝ご飯は、いつも時間がないからあんまり食べない。

両親が亡くなってから、なんか胃がちっちゃくなった気がするな…。
これ知ったら、お婆ちゃんちゃんと食べなさい!って怒るんだろうなー。

ちょっと怒るお婆ちゃんの姿を想像して笑いながら

私は駅へと走った。
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