:)不定期連載.

□:)君だけ 3 
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ガララッ

クリーム色のドアをスライドする音
目の前には、ついこないだ委員会の会議をしたローテーブルにソファー。

昼間とは全く違う、藍色の保健室

カーテンの隙間から見える空の色は、もうオレンジは姿を消している

…夜が、来る。



強い腕に引かれて保健室に1歩足を踏み入れれば、
薬品の匂いが鼻を掠めて

先生がドアを閉めた。


カチャリと独特な鍵の閉まる音がして、
私はパッと顔を上げる

「……先生?」

薄暗い保健室に、先生の笑みが浮かぶ

妖しい笑顔に反応したと同時に、
私の体は宙に浮いて

…先生の腕によって抱き抱えられていた。

「わっ…ちょ、何!?」

降ろして、と言うより先に、私の体はまた宙を浮いて

そして、お尻から着地する。

「ちょっと…!!」

バッと顔を上げれば、手触りが少し固いシーツ
スプリングが弱いベッドの上に、私は座っていた。

ギシ、と目の前に、身長の高い先生が身を乗り出す

「っ…何、して…」

「なぁ、橘。お前は生徒で、俺は教師だろ?」

後ろに下がれば下がるほど、
先生の体が近づいて、私の体に跨がる。

「そう、だよ……」

ごくり、と生唾を飲み込む

それと同時に、私の背中はトン、とベットのパイプにぶつかった




―――――逃げられない



「だったら、先生に敬語使わねぇのも、バカとか言うのも…悪いと思わねぇ?」


そっと、先生の細い指先が私の頬を撫でる


ビクッと不覚にも肩が揺れて



目の前の強い瞳に射抜かれた
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