09/26の日記
21:19
echo
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わたくしの前サイトは Narcissus(ナルシス)といいました。
ナルキッソス、ナーシサスなど、読み方は色々とあるようです。ナルシシズムの語原ですね!
ナルシスはギリシャ神話に登場する絶世の美男子であります。
自信家で高飛車だった彼は、彼に恋し敗れた女達の復讐によって
『恋が実らない』
呪いをかけられます。
そしてナルシスは泉に映った自分の姿に恋するのです。
愛し、触れたくても口づけたくても叶わない。
そんな報われない愛の苦悩。
そんなナルシスに恋していたのがニンフのエコー。
お喋りが過ぎて悪気が無くとも神々を怒らせてしまうエコーもまた、
『自分の言葉が話せなくなる。話せるのは他人の言葉を繰り返すだけ』
という罰を与えられ、
木々のざわめきを繰り返し、川のせせらぎを、小鳥のさえずりを繰り返し、遠くで聞こえるニンフ達の話し声を淋しく繰り返していました。
泉に見とれる美しいナルシスの姿を遠くから見つめながら、愛を語れないもどかしさに張り裂ける苦悩。
ナルシスが呟きます。
『愛しい人、この恋は報われないんだね』
『愛しい人、この恋は報われないんだね』
ナルシスはやがて泉に落ち、そのほとりにひっそりと水仙の花が咲きます。
そしてエコーは露と消え、その木霊だけが今でも森をさ迷っているのだとか。
そんな美しいお話。
見つめていられる幸福と、手に入れられない苦悩が同時に存在する。
美しいものに心捕らわれた者の宿命です。
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