01/26の日記
19:41
恍惚
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「恍惚」という言葉が表す感情を何度感じた事があるでしょうか。
それは輝く男子を人々の中から発見した瞬間。すれ違った瞬間。視線を合わせた瞬間。残像に想いを馳せた瞬間。光の中で触れた瞬間。
どんなに美味しいものを食べても、本能を鋭い矢で突き刺され、身動きが取れなくなる毒めいた幸福な感覚を味わうことは出来ません。
それはやはり視覚として美しいオーラを持つものであり、時にはそんな美しさを秘めた絵や、宝石であるかもしれません。
とりわけ生きたものが持つ、美しさの絶頂期のエネルギーは絶大であり、私たちを一瞬にして恍惚に誘います。
それは自らを美しく魅せる生き物の本能であり、魅せられる本能、求愛の象徴。これらが無ければ生き物は生きられないのです。
美しい人とは求愛の天才であり、そのオーラは麻薬です。
私たちを痺れさせ、絡め取り、時に命を吸い取ります。
それでもいい、その毒と死ぬほどの恍惚に埋もれてむしろ死んでしまいたいと思うのは求愛と生命の矛盾ですが、飛んで火に入る夏の虫、それも生き物の本能として、眩く美しい光には食や睡眠や何を差し置いても抗えない引力があるのです。
身を粉にしても抗えない引力。
そう、なぜこうにも美しい人への幸福感と絶望感は同時に存在してしまうのでしょう。
なせこうも苦しみがつきまとう。
かくも男子が持つ美と毒の完全調和ははち切れんばかりに私たちの脳を冒します。
美男子に平和なし。
幸福と絶望を広げて目の前に現れ私たちを包み込んだ日には、もう何も抗う事はできないのです。
そんな苦痛を避けようとすれば、素晴らしく美しい幸福は絶対に得ることは出来ません。
それならばいっそ美しい苦に包まれて死んでしまいたい。そう思わせる幸福と絶望の完全体が、恍惚なのでしょう。
目の前にそんな輝かしい可能性が現れたら、たとえ自滅に終わっても危険を犯してしまうのです。
しかしそれは素晴らしい輝きであります。
そんな美しい男子に魅了されたい。
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