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□天皇杯全日本サッカー選手権大会
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広島「下克上V」王手!J王者と元日決戦
12月30日10時34分配信 デイリースポーツ


決勝進出を決め、喜ぶ佐藤(11)ら広島イレブン=静岡スタジアム

 サッカーの第87回天皇杯全日本選手権は29日、東京・国立競技場などでJリーグ1部(J1)勢による準決勝2試合を行い、今季J1優勝の鹿島と、来季2部(J2)に降格する広島が勝って来年1月1日の決勝(国立)に進んだ。来季のJ2降格が決まっている広島が、G大阪を3-1で下し、99年の第79回大会以来8年ぶりの決勝進出を決めた。前半開始20秒でエース・FW佐藤寿人(25)が先制ゴール。その後も追加点を重ねて、ナビスコ杯王者を圧倒した。J2降格チームによる天皇杯決勝進出は01年C大阪以来2チーム目。

 失う物は何もない-。その強みが、ナビスコ杯覇者をのみ込んだ。前半開始20秒だ。MF森崎浩のロングパスに飛び出したのはFW佐藤。オフサイドトラップをかけ損ねたG大阪DF陣をあざ笑うかのようなループシュートが、ゴールネットを揺らした。「浩司(森崎)と目と目が合った。自分の形でゴールが獲れましたね」。エースの“電光石火”のゴールに若手も奮起。前半38分にはFW平繁、1点差で迎えた後半ロスタイムにはMF高柳のゴールで、G大阪を完全粉砕した。

 01年C大阪(準優勝)以来のJ2降格チームの決勝進出。皮肉にも、屈辱的な降格の現実が天皇杯へのモチベーションになっている。「ネガティブな重圧がなくなって、今はサッカーが楽しい」とエースは笑う。

 この日は日本代表の岡田監督も視察に訪れた。12、1月の合宿に呼ばれなかった佐藤は「J2だから代表に選ばれないとは思ってない。どこだろうと入る自信はある」と前を向く。指揮官の目前で見せたゴールへのどん欲な姿勢は、代表復帰へ最高のアピールとなった。

 歴史を塗り替えるチャンスでもある。Jリーグ創設時から所属している10チームの中で唯一3大タイトル(J年間王者、ナビスコ杯、天皇杯)を1つも獲っていないのは広島だけ。しかも、天皇杯決勝では、過去3度すべてで涙をのんでいる。

 決勝戦の相手は、Jリーグ王者、鹿島。MF柏木、DF駒野といった主力の去就が流動的な中で、現有戦力での最後の試合となるのは間違いない。「鹿島は素晴らしいチームだ。それでも我々のサッカーをすればタイトルは獲れる」とペトロビッチ監督。降格チームがJ王者を粉砕する-08年元日の国立で、歴史に残る下克上を演じてみせる。
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