短編

□身長差
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『あたしより背の低い男の子は嫌だなぁー』


―グサリ


俺の心には矢よりも太いものが突き刺さった。
その言葉を発したのは俺のクラスメートであるみょうじなまえ。……俺の片思いの相手でもあったりする。因みに俺よりも背が高い。


そんな俺の心とは裏腹に音也達と楽しそうに話すなまえ。やっぱ可愛いし。













その日の放課後、龍也さんに話を聞きに行ってから教室に荷物を取りに向かうとなまえがピアノの前に座って作曲をしていた。


『あれ……翔ちゃん!どうしたの?』
「いや、荷物取りに来た。ちょっと聞いて行っても良いか?」

俺がそう聞くとなまえは頷きながらピアノの側の椅子を勧めてくれた。


ピアノに弾いているなまえは凄くイキイキしてる。周りの雰囲気とか、弾いてる時の横顔とか、滑らかに動く指とか。全部綺麗に見えるんだ。


『なんかそんなに見られてると結婚緊張するんだけど』


苦笑しながら俺の方を見るなまえ。窓から差し込む夕日が当たってキラキラしている。





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