†長編†
□誰よりも廉造がすきっ!(廉造総受け)
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朝、志摩はいつも通り目を覚ました。
モゾモゾと布団の中で身を捩りながら、坊や子猫丸との登校時間までのんびりしようとした。
のも束の間。
ふと布団に違和感を感じた。いや、それどころか、自分のお腹周りに圧迫感すら感じる。
(やな予感しかせえへん・・)
恐る恐る布団をめくると、見知った黒髪の少年が体を丸め、志摩の腰に手を回して眠っていた。
「奥村くん!?なんで、えっ、奥村く、起き・・ん?」
(ちがう、これ若先生や)
寝ぼけていた目をこすると、奥村ツインズを外見で見分ける特徴でもあるほくろが見えた。どうやら髪の毛が隠していたようで、少し動き出したその人物のおかげで把握できた。
「・・若先生?」
「ぁ・・・おはようございます、志摩くん」
「ぁ、おはようございますぅ」
目を覚ますとすぐメガネをかけ、そそくさと身なりを整えていく雪男に、寝起きがいい弟のほうで良かったと思いつつ、ふと疑問を投げかける。
「で、なんでここにおるんですか?」
「あぁ、それは・・・志摩くん覚えてないの?僕たちはそういう関係だったんだよ?そうか、君は記憶を・・」
「え?そういうって・・?記憶?え、え、ええ!?」
「なんなら、朝のご奉仕させてあげてもいいよ?」
「はっ!?ちょ、若先生・・?」
雪男にひょいっと両手首を掴まれ、頭上でひとまとめにされ、馬乗りされ・・志摩は慌てた。
「大丈夫、いつもしてるからすぐよくなるよ」
自分の顔に雪男の顔が近づくのを頭突きで止める。
「いややあああああああああああああああっ!!!!!」
(絶対違う、若先生のいうことは嘘や。昨日は遅刻ギリギリに門をくぐって、2時間目まで寝とって、3時間目の体育で坊から思いっきしサッカーボール飛んで来て、あれ、俺、そのあとどうしたんやっけ・・?)