燈幻郷
□ノルマは溜めるとロクなことがない
1ページ/1ページ
「今日も結構派手にやってくれたなぁ」
左手首の包帯を一瞥するとエレベーターの上ボタンを押した。
『後で千鶴読んで手当てしてもらうか』
エレベーターが到着すると、中から男の子が飛びだして来た。
「うわっ!」
危うくぶつかるところだった。しかし、あんな子供ウチのマンションにいただろうか…と、思いつつエレベーターに乗り、最上階のボタンを押す。
途中で止まることなく、最上階に到着した。ポケットから鍵を取り出し、鍵穴に差し込み回す。
カキャリという音が響いた。
ドアのぶに手をかけた時、部屋の中に人の気配を感じた。
実際、玄関には革靴が綺麗に揃えられ鎮座していた。
『今日、来るって言うてたっけか?』
私の家の合鍵を持っている人間は3人いる。
2人は家庭教師で、もう1人は……
「今日は来るって言うてへんだのに、どうしたん?」
リビングにあるパソコンの前に座って……
「おかえり。まぁた、パソコンのパス変えたやろ」
私がかけたパスワードと格闘している、榎本千鶴である。
千鶴とは中学からの付き合いで、高校が変わった今もこうやって家にやってくる。
「しょっちゅう変更しやな勝手に中見るやろ、千鶴は」
「で、パスワード何?」
千鶴さーん、人の話聞いてますかぁ?
「only my railgan」
結局私も教えるんだけど…
千鶴がカタカタやっている間に、制服から私服に着替える。
私の私服は着物だから、帯を結ぶのが大変。(何で着物か、って?んな事気にしない気にしない(笑))だから、どこも出かけない時は、男物の着流しを部屋着にしている。
それでも、結構大変なんだよなぁ……
「美咲ちゃーん」
「ん?」
「どうして、何も無いのかなぁ?」
なぁんか、危ない?
「何もって、何が?」
千鶴は私の方を向くが、何かが……黒い
「どうして私は今日美咲ちゃんとこ来たのでしょうか」
「いや、それさっき私が聞いたよね?」
「今日は何日?」
今日?あぁ、10日やな……
ん?10日?…………10日……
ぁああああ!!
「思い出したか」
青筋浮かぶ人って、平和島静雄以外にいるんだ……(デュラララネタ)
「いるんだ…じゃ、なぁい!!」
そうか、今日は10日だから千鶴がいても不思議じゃない…というか、当たり前だ!玄関の革靴で気付いて逃走するべきやった……
「そんな事、させると思う?」
笑顔怖っ!!あんたは、ジャンプ界のぺ・ヨンジュンか!!えぇ?何なら、、ぺ・ヨンジュンより怖いぞ。
まぁ。あった事ないから分かんないけどね。
「何言うてんねん。美咲ちゃんさぁ、締め切りは守ろうって、いっつも言ってるよなぁ?」
「うん…まぁ…」
ヤバい、千鶴の目がマジや……(汗)
言うて、この光景事態毎月10日に見てるけどなぁ(笑)
「自覚あるんやったら、1ぐらい書け!!それに、今月は先月分も合わせて書くって、先月言ってたようなぁ?」
「あぁ…言ったような、言ってないような……つか、分かりにくい言い回しすんな」
「あぁ?」
「すいません、言いました」
「美咲ちゃーん(笑顔)」
「な、何でしょうか…?」
な、何んか…嫌な予感と言うか……怖い(滝汗)
「今日中に先々月分は消化しろ」
……な、何ですとぉ!!
「いや、今日はアカンやろ。ほら、黒木先生来るし」
黒木先生と言うのは、簡単に言うと、家庭教師の先生。
「心配せんでも、急に仕事が入って今日は行けへんって連絡あったで。よかったなぁ」
全然良くねぇ!!
いっつも、嫌がらせか言う程時間通りにくるくせに今日に限って、欠席ってそりゃないやろ!
「明日学校休みやろ?今日と明日でノルマ消化してまえ(笑)」
(笑)じゅ、ねぇよ!
どする、私!!
ってか、千鶴が帰る準備してる方が気になる……
「千鶴、帰るん?」
「あぁ。なんか、来客あるらしからな。……何か、嬉しそうやな」
そりゃ、そうでしょ!千鶴帰ったら、今日は家庭教師も来おへんしパラダイスし放題や!!
「全部聞こえてる。明日、朝一で来るから書いとけよ」
「無理やって。一晩で3作なんて、千鶴ウチに寝るなって言うてる?」
「居眠りが心配ならウチの若いの貸そか?」
出ました!榎本組の次期頭首!!若いのって、アンタいくつですか……仮にも、女子高生がそういう発言しちゃぁいけません!!
「何ならホンマに貸すで?」
「イイエケッコウデゴザイマス」
「ふん、まぁ頑張れ」
千鶴はその後も、ブツブツ言いながら帰り支度と私の左手首の手当てをしてくれた。
そして、帰り際に
「ノルマ」
と、一言言い残し帰って行った。
その後の私の行動を簡単に説明すると、
千鶴に言われた、1か月に小説を3作書くノルマを消化する時間を乙ゲーに当てたのであった。
続く
一言
何か、ギャグっぽくないですね(笑)しかも、藍染出てないし(笑)次の話で藍染様登場するので期待していて下さい。キャラ崩壊してるかも…ですけど(笑)第壱話も、近い内に書き直せたらいいですね。まだまだ謎の多いヒロインちゃんです(笑)せれではこれで……感想、アドバイス、リクエスト等ありましたらbbsにどうぞ!!