二粒の結晶。
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第12話
【まさかの夢オチ】
吹雪「この程度かよ、あまっちょろい奴等だ」
雷門と白恋の練習試合。
吹雪いた雪の中から現れた彼は雰囲気・口調が変わっており、雷門は混乱している最中だった。
紺子「吹雪くん!!」
吹雪「任せときな、いつもみてぇにバンバン点取っ手やっからよ。見てな!」
そんな雷門を余所に待ってました、と言うように声を上げた紺子。吹雪は胸に手を当て、チームメイトに頼もしく言うとゴールへと走りだした。
一ノ瀬の激しいチャージに、鬼道と風丸からのスライディングを抜けた吹雪。その彼の隣を誰かが付き添うように走り並んできた。誰かと横目で見た吹雪は、相手がわかったのか口角を上げた。
吹雪「相変わらずバカ見てぇな顔してるなぁ…花香」
「そういうお前は、その口の悪さ直せばどうだ?」
吹雪「はっ、お前に言われたくねぇな」
「大体、この私がサポートしてやるんだからさっさと決めろよ」
吹雪「はぁ?お前の手なんか借りねぇよ、そこで見とけ!」
「なん──っ!!」
そう嫌みを言ってスピードを上げた。ほんっっとムカつくなぁ“あいつ”!!久しぶりだってのに挨拶もなしかよ!!士郎の頼みだから仕方なしサポートしようって思ってたけど、やめだやめだ!ほんっと…、
「っざけんなよ馬鹿やろおおおおお!!!!!」
怒声を上げた花香の前を吹雪が特に気にした様子もなく走る。花香も足が速いため追い付こうと思えば追い付けるのだが、きっとそれはしないだろう。理由はただ単に、彼が気に入らないから。
彼女たちのやり取りを見ての様子を見て、円堂たちは二人の関係性に疑問を抱いていた。
((((この二人、仲良かったよな…?))))
ディフェンスを全てかわし、ゴール前に迫った吹雪は必殺シュートを打つ体勢に。
円堂(感じるぞ、吹雪!お前のシュート…絶対スゴいはずだ!)
吹雪「吹き荒れろ……“エターナルブリザード”!!」
あいつの必殺シュート『エターナルブリザード』。氷と化したボールは、冷気を纏ってゴールへと放たれた。ヤバい、このままじゃ入る…!!
「は───」
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「外れろおおおおおおおおお!!!!!!」
「「「「(ビクッ煤I?」」」」
ガタッと勢いよく立ち上がりいきなりそう叫んだ花香に、当然ながら周りのみんなは肩を揺らし驚いた。しばらくの沈黙。だんだんと意識が鮮明になってきたのか、彼女はビシバシと体に当たる視線を送ってくる周りを見渡し、首をかしげた。
「………お?」
…なにこの状況。何故教室にいる私。さっきまで雷門とサッカーしてたよな。士郎もいないし。つかなんだこの沈黙。何でみんなそんなひきつった顔してんの。なんかヤバいことした?
…あれっ、私今まで何してたっけ。
まだ頭が覚醒しきってないのか状況を把握できず、ボーッと突っ立っていると、呆れた様子で私を眺めていたみんなは焦ったよな素振りで前を向いた。(なんだ…?)
桐原「か〜ん〜ざ〜きぃ〜」
「……………………げっ!?」
桐原「何が外れろってぇ?」
「桐っち…(掠れ声」
桐原「花香ちゃんよぉ…てめえは何度言わせりゃ気がすむんだ?」
「あ、ははは……;;;;」
桐原「あははじゃねぇ、
──毎回俺の授業で寝るなっつってんだろうがボケがああああああああ!!!!!」
「すんませんっしたあああああああ!!!!」