二粒の結晶。

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第8話
【キャプテンの素質】





吹雪「相手は日本一のチームだ。どこまで出来るかわからないけど、頑張ろう!」



「「「「おお!!!!」」」」



あれから。
グラウンドに着き、雪合戦やらなんやかんやと遊びまくったあと、瞳子監督さんたちにここ白恋に来た理由を教えてもらっていた士郎に話を聞き、結果雷門と白恋の練習試合をすることになった。



どうやら今サッカー界は、星の使徒(笑)と名乗っているやつら…エイリア学園によって大変な目に遭っているらしいんだ。遠き星からやって来たんだとよwwwwブッフォwwwwワロスwwww



…ごほんっ。
そしてエイリア学園がここ最近、北海道で暴れまわっているらしい。円堂たちは、そのエイリア学園を止めるために地上最強チームを完成させるため、有力選手を集めに各地を回っているんだと。だから雷門のみんなは、私たちに会いに来た。この練習試合も私と士郎の力を見るための試合なんだってさ。



ま、だからって手加減はしないけどな?



(ちなみに私が今の現状を知らなかったのは、旅をしていたから)



吹雪「花香」



「んぁ?」



白恋のみんなと円陣組んで気合いを入れ、ポジションに向かっていたら士郎が呼んできたんだけど何やら呆れた表情。なんですかい。



吹雪「なに一人で百面相してるの」



「え、してた?」



吹雪「うん、気持ち悪いぐらい」



「もっと包んで」



吹雪「これ忘れてたよ」



「無視か」



あー…士郎と有人ってやっぱ似てる。腹黒さで士郎に勝てる奴はいねぇだろうけど。命かけれる。



私のことはフル無視で差し出されたのは綺麗に畳まれた白恋のキャプテンマーク。うん、いつ見ても士郎の肌は色素薄いな。



「士郎がしないのか?」


                        ・・・
吹雪「花香がいなかったときに飽きるほどしたから。今日は任せるよ」



「……いや……でもさ、今まで士郎がしてたんだわけなんだしこれからも──」



吹雪「そんなこと言って本当は面倒なだけでしょ?」



ギクッ…。



「…い、嫌だなぁ人聞きのわりぃ…。ただ私は──」



吹雪「口答えはいいから」



「あい」



口答えって…しろー怖い。
私は渋々と答え、渡されたキャプテンマークを渋々受け取り、渋々腕に付けた。久しぶりなもんで何か不思議な感覚。



「言っとくけど、暫くキャプテンなんかしてなかったから多分何もできねーよ?」



吹雪「いいよ、それ付けておくだけで」



「じゃあ別に士郎がすれば…」



吹雪「花香がキャプテンだと、みんなの士気が上がるから」



「あ…そうなんだ…………うん…、わかった…」



言って俯いた花香。僕の言ったことに照れたらしい。ほんとのことなんだけど…、



冗談抜きに、花香には人を惹き付け、その人の力を発揮させるような不思議な力がある。まぁ花香自身、かっこよくて可愛いいし魅力があるけどそれとはまた別な気がするんだ。



「?…しろー?」



吹雪「…えっあー…、…………なんでもないよ」



「そうか…?じゃ、じゃあポジションに付いてくるな!!!」



まぎらわすように笑って、慌てて走っていく彼女を吹雪は微笑ましく眺めた。ふふっ…ほんと…かわいいなぁ、花香は。






(そういや、士郎やみんなとサッカーするのは久しぶりだな。



……やべ、更に楽しみになってきた)





  

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