二粒の結晶。

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第14話
【あいでぃすらいくいんぐりっしゅ】







「秋ー!春ー!お嬢ー!」



秋「花香ちゃん!」



春奈「花香先輩!!」



夏未「だからお嬢って……!!」



校舎の方から走ってくる花香に、三人は待ちわびていたように目を輝かせる。木野たちの姿を捉えた花香は猛スピードでベンチにダッシュした。



「いやぁ…待たせてごめんな」



春奈「ほんとですよ!」



秋「もう来ないかと思ったんだからね?」



夏未「全く…時間にルーズなんだから」



「あはは……面目ない」



正確には桐っちのせいなんだけど、三人が可愛いしまぁいいや。



瞳子「それじゃあ神崎さん。早速で悪いけど目金くんと交代して」



「りょーかいであります!瞳子さん!」



ビシッと敬礼をして、瞳子によって中断された紅白戦に加わるためピッチに入った。瞳子も思った以上に懐かれてしまったようだ。



「さてと…私はどっちに入ればいいのかな」



鬼道「俺たちのチームだ」



腕を組んで背後からやって来たのは「ゴーグルマ「敵チームがいいか?」同じチームでありがたき幸せ」



風丸「補習お疲れ」



「さんきゅ」



「ほんと疲れたよー…癒して風丸」と謎の疲労感から風丸を抱きしめようと、手を広げながら近づくが残念。有人によって阻止された。



「……何をする」



鬼道「紅白戦が終わってからにしろ」



「私は今がいいんだ!」



鬼道「長引くから駄目だ」



「…………チッ、うるせぇなぁ」ボソッ



鬼道「何か言ったか?」



「い"っ、い"えなにも"ッ!」



鬼道「………そうか」



私の首を絞めていた手がそっと離される。掴まれていた所を擦りながら有人を見上げると目が合い、奴はニヤリと口角を上げた。「…ひっでーな有人ちゃんは」



風丸「英語の補習はどうだったんだ?」



「……………………………………ぼちぼち」



苦い顔をした花香に風丸は「そうか」と苦笑い。
さっき桐原に叱られていた時間は英語の補習だったのだ。エイリア学園のための特訓で出るはずはなかったのだか、あまりにも成績が悪かったため桐原が強引に連れていき、あのやり取りをして今に至る。



一ノ瀬「でも変わってるよね。英語だけ特別苦手なんてさ」



「あぁー………英語だけは何か好きになれないんだよ…」



鬼道「そのくせ、片言の英語をよく使うが」



「ほっとけ!」



風丸「他の教科はそんなことないんだろ?」



「うん。ほとんど満点かな」



一ノ瀬「じゃあ頑張れば英語も出来るんじゃ…」



「いや、それは無理」



何処から出るんだという自信で言い切った花香に思わず一歩引く。



「あれはもう…宇宙人の言葉だよ。私には理解不能。何故存在してるかすら意味不明」



ほんと…憎々しいよ。と怨みのこもった瞳をする彼女に周りは「そうか…」と言うしかなかった。









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