夢物語

□Un caduto angelo
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『おっ…お言葉に甘えさせてもらうわ。べっ、別に感謝なんかしないんだから!天使のが偉いんだし!!か、勘違いなんてしないでよね!!』

「おーおー、強気なこった。ほら、行くぞ。高貴なangela様。車は待たせてある。」
そう言って自分の上着を脱ぎ、翼を隠すように羽織らせると表通りとは反対側の道にエスコートしていく。


『褒めたって何も出ないんだから…』

と俯きながら呟いている。
恐らく顔はほんのりと赤く染まっているのだろう。
やがて落ち着いたのかハッと顔を上げ、

『どうして逆に進むの?向こうじゃなくて?』

この質問は来ると分かっていたのかルキーノはサラリと答える。

「ここは俺のシマだからな。ここらへんでは顔が広い。特に女からはな。お前を連れて堂々と通りに出ると女達が嫉妬をするんだよ。俺はモテるからな。」

『女の嫉妬…。』

「そうだ。嫉妬した女は何をしでかすか分かったもんじゃない。お前に傷をつけると天からの罰が下りそうだ。」

それに、女には傷をつけられねぇ、
と小さく呟く。最後の言葉は彼女には聞こえなかったようだ。

そういえば、名前を聞いていない…

そんな事を思ったが家に向かうことを優先させる。


いくら自分が居るとしても、変な者に絡まれないという保証はない。守ることは出来る。

だが、彼女は人間ではない。

その事実が厄介なのだ。
CR:5の組織には負担をかける訳にはいかない。報告はしなければならないが…。

さぁ、これからどうするか…



考えこんでいるうちに家に着いたようだ。



さぁ、じっくりと話を聞こうか…。


01.end
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