シドライ
□ただ君が好き
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…まさか、初めてだったなんて…
レインズは、シーツについた赤いシミを見ながら、ライトニングの頭を撫でた。
「んっ…」
ライトニングは意識をぼんやりと覚醒させた。しかし、辺りは真っ暗…
起き上がろうとするが下腹部に走る鈍い痛みに身動きをとることはやめ、再び布団に身を埋めた。
夢うつつで何が何やら良くわからない。徐々にはっきりしてきた感覚を探ると、肌に布団以外のあたたかなものが触れているのが分かる。
「起こしてしまったね。」
「シドにぃ?」
すぐ近くで聞こえたレインズの声。
夢と現実の間を漂っていたライトニングの意識は、そこで一気に現実へと引っ張り出された。
「私、部屋へ…っ…」
くいっと手首を掴まれベッドの上に座っていたレインズの胸へと引き寄せられ、額へと口付けされた。
「ダメだよ。
少し無理をさせてしまったね。
痛むかい?」
レインズは、ライトニングを抱き上げ、自分の膝の上へ乗せた。
「…少し…シドにぃ、シーツ…」
シーツの赤い場所を指差し、申し訳なさそうに言った。
「気にしなくていいよ。」
愛おしくてたまらない。
女に触れていたいなんて感情は抱いた事がない。離したくない。
抱き締める腕に力が入る。
「…シドにぃ、寒い。」
その声に、レインズは辺りを見渡し、自分のシャツを拾い上げライトニングの肩にかけてやる。
「もう少しだけ、このままで…」
「シドにぃ?」
☆☆
ピチャンと、水の音。
「エクレール?恥ずかしい?」
彼女は恥ずかしそうにこくんと頷く。
昔の様に一緒にお風呂に入ったものの、彼女は顔を俯かせたままだ。
レインズは見兼ねて、彼女を背中から抱きしめるかたちで引き寄せた。
「今日は、ごめん、なさい。仕事休ませちゃって…」
「いいよ。」
「……シドにぃ?」
「なぁに?」
言いにくい事なのか、自分の手を握ったり、離したり…ソワソワしている。表示は、後ろから抱きしめてるから見えないが、
…かわいいな。
口に、出したら彼女が怒りそうでだまって見ていた。
「私の、事好きって言っただろ?」
「言ったよ。」
「えっと…本当?」
「本当だよ。」
「いつから?」
「ん〜、ずっと好きだったからねいつって言われても困るかな…」
「シドにぃってロリコン?」
ストレートにそんな事聞いてくるものだから、ビックリして言葉が出てこない。
「エクレール、君酷いね。」
ライトニングは、レインズが怒っていると思ったのかクルッとレインズの方を見た。
「ナバート中佐がね…准将は、もしかしたらロリコンかしら?
貴方の様な小娘を側におくなんてって、言ってたんだけど…」
あいつは、こんな純真無垢な18歳の少女に何を言うんだ!
「シドにぃ、ロリコンって何?」
クスッと笑うと
「エクレール、君にはまだ必要のない言葉だよ。」
頼むからあんな女にはならないでおくれ。