シドライ

□奴がくる
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ライトさん騎兵隊設定。


「まずい事になった…
あいつがリンドブルムにやってくる…何がなんでもエクレールを隠せ。」
額に手をやり睨みつけるように
切迫した空気を、ガンガンだしてはいるものの…


「大袈裟じゃないですか?
ナバートがくるだけでしょ?」

あっけらかんと、言い放つ無精髭…

19になったばかりの可愛くて純真無垢な、あの子をあんな女に合わせるのも嫌だ…

「リグディ大尉?これは命令だ。
頼んだぞ。」

職権乱用だ…絶対…

「へぃへぃ、ファロンと仲良く隠れてますよ。」

「ちょっとまて…リグディ大尉…手を出すなよ…」

いつもよりかなりトーンが違う。
こわっ…
振り向いたら息が止められそうで手を上げて答えた。
部屋を出て
…さて…ファロンは?

ブレイクエリアの前を歩いていると…ピンクブロンドが目に入る…

居たいた。
前から髪の長い女…ヤバイ…

「ファロン、行くぞ。」
腕を引かれ何がなんだかわからないライトニング…
「大尉?ちょっと…」

「そこの無精髭とピンクお待ちなさい‼」

ビクッと2人は金縛りにあったかの様に動けなくなってしまった。
恐る恐る振り返ると、すぐ目の前にナバート中佐の姿がライトニングを舐める様に見ていた。
敬礼すらできないほど近い…

なんなのこの子、化粧品してないじゃない!この肌…キィ…羨ましいわ…


「あ、あの…」
何よ?的な目で見られてしまう。

「あなた、PSICOMに来なさい」
「…え?」
「私の秘書官を命じます」
いつも連れ歩いていたい…

「あの…申し訳ありませんが…」
「あなたに選択の自由は与えていなくてよ!」

はぁ。怒っちゃダメだ…落ち着け…

「大尉、申し訳ありませんが腕を離していただけますか?」
「ああ、すまない…」

その言葉に女はチラッと男をみた

「あら、閣下のところの無精髭…」

「お久しぶりで…」
「挨拶はいいわ…本当…騎兵隊はむさ苦しくて仕方がないわ…早く用事を済ませて、この子とエデンに帰らなきゃ…」

まてまて…ファロンを連れてくきか?

「連れてかれては困る。騎兵隊の一員なんでな…」

「あなたが目にかけている所を見ると…閣下のお気に入りかしら?」

苛めて、泣かせてやりたい…この子…

リグディがライトニングをグイっと引き寄せ、ナバート中佐から離した。

「あぁ、あなたのお気に入りでもあるのかしら?面白い…」

なんだろう、イライラする…
この人嫌いだ…

「あの、とにかく司令室へ。
ここでは、人だかりができます…」

「あら、お願いしてくれたら、考えますわ。」

「お願い?」

「そう。ジルお姉様、お願い…って」
目を細めて言うナバート中佐…


嫌だ…言いたくない…

「ジ…ル……お姉……様、お願いです、司令室へ…」

恥ずかしすぎる…

「まぁ、よしとしましょう。」

***

「やぁ、ナバート中佐…」
ナバートは敬礼で返した。

その後から入ってくるリグディ、ライトニングの姿にレインズは頭を抱えた。
「リグディ大尉、私は他の任務を与えたハズだが…」
「ミッション失敗です。」

ライトニングは自分の席にどかっと座り込んだ。

怒っている明らかに…困ったな…

書類を見ながらライトニングをチラッと見てレインズを見た。
「あら、あの子有能なんですわね。貴方の左腕ですの?」
「まあね。」
「PSICOMに欲しいですわ。」

「それは、無理だな…キミは、有望な子を事務官なんぞに留めておくのかね?キミはもっと、見る目があると思っていたが…買い被りだったようだな…」

なんて事!この男には口で勝てないなんて…悔しいわ…

「閣下が私をかってくださってたなんて、知りませんでしたわ。」

さて、やる事はやったし、帰りましょう。こんなむさ苦しい所にいつまでもいられないわ。

ライトニングは、書類をナバート中佐に渡した。
「これで全部です。」

渡された書類を見て驚いた。
すべて見やすいようにファイリングしてあり、重要なものを手前にしてあった。

「ファロン上等兵やっぱりあなた欲しいわ。」
本当に19の小娘なのっ?

「それは、光栄です。」
連れて帰れないなら…

「さっきの言葉いいなさい。」

ジルお姉様…この男が聞いたらどういう反応をするかしら…

首を傾げるライトニング…
「命令です。」

彼女はクスッと笑った。
「ここは、リンドブルム…」

なによそんなのは知ってるわ。

「私があなたの命令を聞く必要はありません。」
「じょ、上官の命令を聞けないというの?」


「ここは、シド.レインズが率いる隊です。私は、彼以外の命令は聞く必要はない。違いますか?」

後ろの男達は笑ってるし、
くっ、悔しい…
この子、似てるわあの男に!
でも、やっぱり欲しい…

「あきらめませんから、では、失礼、」
ナバートは、去って行った。


「さて、私もこれで失礼します。」
ペコッと頭を下げると、部屋を後にする。

「リグディ大尉…君は残業だよ…」

「へい。」

任務が果たされなかったリグディは、長い残業をやる羽目になりましたとさ。

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