ホプライ

□敬語
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「なぁ。」
「なんです?」 
「それ…どうにかならないか?」

それって何?と云った顔で見つめる彼にため息をついた。

彼とは付き合って一年生、同居して半年…それだけの月日がたっても言葉使いが変わらない彼…

ただでさえ歳の差をきにしているのに…私が…だが…

「言葉使い…なんで敬語なんだ?」
「気になりますか?」
こくんっとうなづいた。

「じゃあ、敬語は使わないよ。」

別に大した言葉ではないのに、ドキドキする…

「名前は?ライト?エクレール?」

悪戯っぽく言うホープに
ライトニングは、顔が真っ赤になった。

ライトは職場でも呼ばれる…
だから
「……エクレール…で。」

彼はクスッと笑うと

「エクレール、出掛けようか?」

心臓が、高鳴る

多分、聞き慣れないから…だからドキドキするんだと自分に言い聞かせた。

「着替えて来るから…まってて。」
自分の部屋に入るとバタンっと扉を閉めて着替えた。

いつもは着ないピンクなフリルのスカートに白いニット背中はざっくり開いていて背中が覗いていた。
黒のガーターを合わせて、髪もアップにして化粧をした。

「ホープ?変かな?」
恐る恐る、ホープの前には立って見せる
彼はライトニングをみるなり、固まり
バサッと彼の手から今読んでいたらしい本が床へ落ちた…

「やっぱり変だよな…セラとお揃いで買ったんだが…やっぱり着替えてくる。」

ふいっと自分の部屋に戻ろうとするライトニングをホープは抱きしめた。

「ごめん…可愛くて、見惚れてた。着替えないで。すごく似合ってる。」

「本当?」
「本当だよ。」

「じゃあ、出掛けようか…?」


手を繋ぎ、街を歩く。

普通のデート。でもなんかいつもと違った。
公園のベンチに腰をかけた。

「ホープ?無理してないか?言葉使い…」

明らかに彼の目が泳いだ。
「あの…ドキドキしちゃって…」
「??」

何にドキドキするんだ?

「その…ラ、エクレールが僕が話すたびに…顔が…赤く…」
チラッと見た彼と目が合う。

「ホープ、もういい。わかった。」
もう恥ずかしいから言わなくていい。

「やっぱり、やめよう。ホープはいつもどうりでいい。ごめん、気にしていたんだ…歳の差を…」

どこか、さみしげに俯いてしまった彼女…

「あの…ライトさん。僕、ごめんなさい…何も気づかなくて…
でも、僕はどんなライトさんも好きです。…だから、そんな寂しそうな顔しないで…」

彼女の身体を抱きしめた。
「いつか…居なくなってしまうと思ったら…切なくて…」
「僕はどこにもいきません。」

永遠などないとわかっている…だけど、永遠に一緒に居たいと思う
叶わなくてもいい。
ただ…今だけ今だけ…信じさせて…
彼と永遠に居られる事を…

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