ホプライ

□いつかくる幸せ…ホプライ
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今はAF500年…ヴァルハラから戻ってきて6ヶ月…
色々な事があって、私はホープと付き合う事になった。

でも、私はホープと一緒にいてもいいのか?という想いがいつも心の中にあった。
アカデミーの最高顧問で、
女の子からの人気もある。

かつてのシド.レインズ…
思い出してしまった人物にため息を一つ漏らす…
頭を抱え首を振る…

悪い癖だな…元彼を思い出すなんて…
誰も居ない部屋の中、ソファで膝を抱えた。

…かつての同僚…上官…友達…ノラのみんな…

もう居ない…会えない…

「さみしい…」

ふと時計を見れば日にちが変わっていた…

今日は、帰ってくるのかな…

ふと、ブレイズエッジが目に止まる…
手に持ち剣を抜いた。

唱えよ 我が名…
 ライトニング…

大事そうに持ち、鞘に収めた。

これしか…残らなかったな…
まさか、形見になるなんてな…

元の場所にブレイズエッジを置きキッチンへ足を向けた。

現実から逃げたい…
体調面でも、まだ普通の人と同じ生活はおくれない。
グラスに注いだ水を一気に飲み干し、グラスをシンクに置いた瞬間、目の前がぼやけ、激しく胸が痛みだす。
パジャマの胸元をぎゅっと抑えその場に疼くまる…

「はぁ…つ…うっ…」

荒い呼吸…苦しい…

たまにくる発作…
これでもよくなった方で、
この世界に来て2ヶ月は、意識を失うのも日常茶飯事でずっと入院生活を送っていた。
やっと、安定して退院できたのに…

何分疼くまったまま居たのかわからない…

ぐっと足に力を入れて立ち上がる…少し落ち着いたもののまだ胸が痛む

本当なら、寝室のベッドまで行きたいのだが、距離的に今の自分には行く事が不可能だと諦め、ソファまでなんとか辿りついた。

痛みが強くなったり弱くなったりで、痛みがなくなることがない…

胸の痛みがで始めて何時間たったのだろう…
窓をみれば、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。

カチャッっと扉が開く音が聞こえる…
苦しくてそちらを見る余裕は無く、少し瞼を閉じた。

しばらくして、目を開ければ
目の前には、アカデミーの制服を着たままのホープの姿が目に写った。

「ほー…ぷ…?」

持っていたカバンを手放し、ライトニングに、歩み寄る。

手首を掴み脈を計る…
手首もいつもより暖かく、額に手を当てれば熱があるのがすぐにわかるほどにあつかった。

「ライトさんっ!薬は?」

首を振るライトニング…

発作が出た時にと処方された薬をホープが、慌てて取りに走る。

その姿を見て目を瞑った。
ふと、目を開けるとホープが目の前にいた。
顎をくいっと上げられ唇を押し当てられる。
驚いて口を少し開ければ、水と錠剤を流し込まれた。

ゴクリと飲み込み、少し咳き込んだ。
その背を優しく摩ってくれるホープ…
「すみません。大丈夫ですか?」
「大丈夫…」
少し
ふわっと抱きかかえられ、ベッドに寝かされる。

頬に赤みがさし、ホープはホッと胸を撫で下ろした。

手を握り側に居てくれるホープ…
疲れているだろうに…

「ホープ、私は大丈夫だ。シャワーを浴びてきたらどうだ?」

制服姿の彼に言えば、自分の格好を見て苦笑い…
「そうですね。」
そう言って立ち上がるホープ…
少しさみしげに彼に視線を送れば、額に…頬に…キスが降ってきた。
「少し待っててください。」

こくんっと首を縦に振ったライトニングを、確認し、シャワー室に消えていった。

冷たいシーツが心地よくゴロンっと転がるが、すぐに暖かくなってしまう…
1人は退屈で、少し瞼を閉じた。

時計の音…後はホープのシャワーの音…
薬の副作用か、眠くなってきてそのまま意識を手放した…

誰かに身体を清めてもらう夢を見た…

ふと、目が覚めれば、隣にはホープが眠っていて、あどけない寝顔にそっと唇をのせた。

時計を見れば昼近い時間…

よく寝たな…
……今日は平日だったよな?
と頭をよぎり、ホープの身体を揺すった。

「ホープ、お前仕事は?」

バッと起き上がるホープ…
寝ぼけているのか、目をゴシゴシこすり、時計を見た。

「今日は…休みです。明日も。」

ほっと胸を撫で下ろしたライトニングは、昨日着ていたパジャマと違うものを着ていると気づく。

それに気づいたのか覗き込むように見るホープ。

まさか…
下着も違う…ホープを見れば
ニコニコ悪戯な笑みを見せている始末。

恥ずかしくて、顔真っ赤なライトニングは、頭から掛け布団をかぶり、まるでミノムシのように丸まった。
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