アクエリオンEVOL

□ガラス越しの貴方
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※捏造注意
 全く要素の欠片もないですが、一応双子パロです。






『ーーのばか!!』


『あぁ!!?んだと!!!?』




そう言って始まった幼い俺達の喧嘩。

結果はもちろん、俺のボロ負け。

痛くて悔しくて、なにより大好きな彼と喧嘩してしまったことが悲しくて…

わんわん大声を上げて泣いちゃったんだ…


(―あれ…『彼』っていったい、誰のことなんだろう……?)



頬を膨らませて怒っていた赤髪の少年も、その泣き声を聞いているうちにどんどん表情が曇っていく。

『…なぐってわるかった、……だから…もうなきやめよ』

そう言って少年は、甘い蜂蜜色の頭をそっと撫でる。
まるで宝物に触れるように、優しく優しく…何度も何度も……

大きな瞳からポロリと零れ落ちる涙は、指先で拭ってやった。


そのぬくもりに触れ、次第に嗚咽も収まっていく。


『…ヒック……ぅ…』

『……もうへいきか??』

そう優しく声をかけられて、

『…うん……あの…ね……

…おれも……ごめ…なさぃ……』

瞳を潤ませて目尻を赤くした幼いアマタが、しゃっくり上げながらも小さな声で謝罪の言葉を告げた。

それを聞いた赤髪の少年が、幼い自分をギュッと抱きしめる。

『じゃあこれで、なかなおりだな!!』

そう言って少年は、ニカッとお日さまみたいに眩しい笑顔を浮かべた。

『うん!!』

嬉しくなって、思わず自分も柔らかい笑顔を零してギュッと少年を抱きしめ返した。



そうして2人でひとしきり笑い合った後、

『じゃあね、これはなかなおりのしるし!』

『なんだこれ?』

『きれいでしょ!?さっき見つけたんだ!』

俺が差し出した両手には、キラキラ光るふたつのガラス玉。

『わぁ…ほんとうにきれいだな!
こっちはアマタのめとおんなじいろだ!』

そう言って赤髪の少年は、野に咲く蓮華草のような美しい色合いのガラス玉を手に取り、アマタの目と見比べていた。

『うん!で、こっちはーーとおなじいろなんだよ!』

やはり赤髪の少年の名前だけが、ノイズが入ったみたいに聞き取ることができない。

(この少年は誰…?)

少年が残った方の手を見ると、たんぽぽみたいに鮮やかな色をしたガラス玉。

アマタはそれを、微笑みながら大切そうに握りしめた。

『これみつけたときね、
おれたちがいっしょにいるみたいで、すごくうれしかったんだ!
こうやってぎゅってすると、ぜんぜんさみしくならないんだよ!』


幼い俺が言うと

『じゃあそれは、おまえがもってろよ!
おれはこれがほしい!アマタのめといっしょだから!』

少年は笑ってそう言葉を返した。

『うん!おれもこっちがいい!
ずっと、ず〜〜〜〜〜っとたいせつにもってる!!』

『ほんとかよ?
ころんでなくしたりするなよ??』

『そんなことしないもん!!』

あはははと声を出して楽しげに笑うキミ。

不満そうに眉を寄せて拗ねている俺。

お互い傍にいるのが当たり前で、これからもずっと一緒にいられると信じていた。



すごく懐かしい光景なのに…



どうしてかな…


(全然『君』のことが分からないんだ………)



……ねぇ

『君』はいったい、誰なの……??

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