アクエリオンEVOL
□ガラス越しの貴方
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―ピチチチチ…チュンチュン……
穏やかな鳥の鳴き声が聴こえる…
フッと目を開くと、そこには寮の二段ベッドの天井が見えた。
目覚めたばかりで頭が働かず、ぼんやりと視線を動かす。
―今のは…
「……ゆめ…?」
しかし頭が冴えてくるのに反比例するように、その景色も内容も朧気な幻のように薄れてゆく。
(俺は…どんな夢を見ていたんだっけ………?)
ふと机の上にある瓶の中で、キラキラ輝くガラス玉が目に入った。
力強く咲くたんぽぽのように美しいガラス玉。
いつから持っていたものなのか、何故大切に飾ってしまうのか、どうしてもアマタには思い出すことが出来ない。
しかし、寂しくて泣きそうな時も不安に押し潰されそうな時も、これを握り締めれば不思議と安心出来たのだった。
(そうだ……
夢で見た『誰か』の瞳が、このガラス玉と同じだったんだ。
あたたかくて優しい、綺麗な色…)
そう思った時、アマタの瞳から一筋の涙が零れ落ちる。
後から後からじわりと湧き上がる涙は、何度拭っても収まることがなかった。
(どうして俺、泣いてるんだろう…?)
泣きながらも思わず首を傾げたアマタだったが、気づけば胸がジクジクとした痛みを訴えていた。
母親が去ったあの日以来感じていた、心にポッカリと大きな隙間が開いたような感覚。
しかしアマタは無意識の内に感じていたのだ。
自分でも窺い知れない心の奥底で、母親ではない『誰か』を求めていることに。
目に焼き付いて離れない、たんぽぽ色のあの瞳。
もはや夢に現れた人物の姿すら、思い出すことは出来ない。
でも、
(泣きたくなるほど幸せで…すごくあたたかい……夢…だった)
―いつか会えるのだろうか、
過去へ置き去りにした自分が焦がれてやまない、大切なあの人に…
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あとがき
めちゃくちゃ恥ずかしいッスね…
読む専だったんで、生まれて初めて小説書きましたよ……
しかもBLww\(^O^)/
おかしいとこがたくさんあると思いますが、どうかお許しください。