ONE PIECE3
□風邪ひきローさん
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ローは体が弱いイメージがあるが、風邪が流行るようなシーズンにはひいたことがない。
大体シーズンオフに急に体調を崩してしまうのだ。
今回もそんな感じだった。
ゴホッゴホッ
昨日からローはセキをしていた。
蔓延しないように自主的にマスクをかけて過ごしている。
熱はないし喉の痛みもない。
ただ激しいセキが出る為、目を潤ませてぐったりしていた。
「大丈夫ですか。だいぶヒドいじゃないですか」
ペンギンが声をかけると、
「………」
ローは何か言ったようだがよく聞こえなかった。
「すいません。今、なんて言ったんですか?」
「………」
ローは懸命に口を動かしたが声が出ていない。
「……キャプテンもしかして声出ないんですか?」
ローはコクリと頷いた。
セキをし過ぎで喉を潰してしまったのだ。
「じゃあ声が出るようになるまで筆談しましょ?唇を読めない事もないんですがキャプテンからの話だと読み切れないんで」
そう言ってその場は別れたのだが、それからローは特に用事もないようで姿を表さない。
少し心配になって様子を見に行くとローは部屋で本を読んでいた。
“どうした?”
ローの唇がゆっくり動いた。
「キャプテンをしばらく見てなかったんで体調大丈夫かと思って」
“もんだいない”
ゆっくり唇を動かす様を見て違和感を感じた。
「なんかキャプテン唇読ますの上手いですね。見ててわかりやすいです」
それには答えにくかったのか紙に書いていた。
昔、しばらく声が出なくなってな。筆談が面倒で唇をよんでもらって会話してたんだ。
「そんな事があったんですね。じゃあみんなで練習しましょうか!みんなキャプテンに会いたくてしょうがないみたいです」
“しょうがねぇやつらだ”
ペンギンはローを誘って食堂に向かった。
その後の練習の効果はあまりなかった。