ONE PIECE3

□手当て
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「さーんじ!!」

サンジが夕飯の仕込み中、今日は何だとルフィが飛び付いた。

ザクッ

「ザクッ?」

訝しんでルフィがサンジの手元を覗くとサンジの指から血が流れていた。

「血っ!?チョッパー!!」

ルフィが飛び付いた時に手元を滑らせてしまったのだ。

「おい。うるせーよ。チョッパーは出掛けてるだろ!!」
「騒々しいな。何を騒いでいるんだ?」

サンジの声と部屋に入ったローの声が重なった。

「あっ!!トラ男。サンジの指を手当てしてくれ」

ローを見てルフィは安心した様な顔をした。

「指?」

ローはサンジの指を見ると人差し指の先から血が出ていた。

「バンドエイドだけあれば、こんなの舐めとけば治る」

サンジは軽く言った。

ローも

「そうだな。舐めとけば平気だ」

パクリ

サンジの指を加えた。

「………」

ブァー

サンジの顔に血が集まった。

自分の指がローにくわえられている。

赤面してローを見上げると、ローもハッとした表情をしてサンジの指を解放した。

「わるい。うちのクルーのノリでつい」

「いや…まぁ。何となくわかるよ。そーゆうの」

ローはサンジの手を取ると傷口を水で流して、ルフィに持ってこさせた消毒を付けるとバンドエイドを巻いた。

「消毒は大げさじゃないか?」

サンジが尋ねるとローは顔を赤らめて、

「くわえちまったし一応だ」

顔を背けた。

パンは嫌いだに次ぐくらいに落ち込んでいた。

サンジを手伝おうとして手を傷だらけにしたルフィがローに手当てを受けるのは少し後の話だ。
 

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