ONE PIECE3

□お熱
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ローがサニー号に乗り込んで数日

いつも騒がしい麦わらの船長は何故かおとなしかった。

いつも周りで遊びの要求をされて煩くグルグルされていたローは訝しんで読んでいた本を閉じた。

別にかわまれたい訳ではないが嵐の前の静けさを警戒してるのだ。

「どうした麦わら屋。今日は静かじゃねぇか」

ルフィは座り込んで俯いていたがゆっくり顔を上げた。

赤い顔に潤んだ瞳。

ローはルフィの正面に座り込むと額をくっつけた。

「何してんだ?」

ルフィが尋ねると、

「熱を計ってる……麦わら屋熱があるな」

額を離して立ち上がると腕を伸ばした。

「立てるか?」

「ん」

ローの腕を掴んで立ち上がったが、フラついてローに倒れ込んでしまう。

ローはため息をつくとルフィを抱き上げた。

「麦わら屋首に腕を回せるか?」

ルフィより大きいとはいえ力自慢ではない為、ただの姫抱きよりも首に腕を回して貰った方が軽くなる。

そう要求するとルフィは首の後ろに腕を回してくっ付いた。

「トラ男冷たくて気持ちいい」

「……おまえは熱いな」

「なぁ、熱は薬飲むのか?」

「ああ」

「苦いのはやだぞ」

「……ああ」

「なぁ」
「少し黙れ麦わら屋」

ルフィをベッドに降ろすと部屋を出ようとするのでルフィは心細くなった。

「いっちゃうのか?」

「トニー屋を読んでくるだけだ」

「やだ!!」

「なんだ。わがままか?」

ローはクスクス笑ってベッド横の椅子に座った。

「まったくしょうがねぇキャプテンだよ」

紙にさらさらと何事か書くと

「シャンブルズ」

ローの手には本が現れて紙が消えた。

少しすると慌てたチョッパーが走り込んできてルフィに世話を焼いていた。

ルフィはすぐに寝てしまったがローの手を握った手は離さなかった。
 

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