ONE PIECE3
□ハートの女王3
1ページ/3ページ
「みんなー島が見えたわよ」
昼頃である。ナミの声に一味は少し先に見える島に目をやった。
「サンジ君。お昼はどうする?」
「今は先を急ぐ航海をしてるから街で取ったらどうかな?」
サンジの許可を取り付け一味は下船の準備を始めた。
「ローは俺と一緒に行こうぜ」
刀を肩に担いだ姿を見つめながらサンジが言った。
「1人で…」
「お前その刀抜けるのか?」
ローの言葉を遮るようにサンジが二の句を継いだ。
ローの長刀は身長が縮んだ今、持て余し気味である。
戦闘時に抜刀出来るのかも不安な位だ。
「それが黒足屋と行動を共にするのとどう繋がる?」
「最悪、鞘を引っ張ってやるし、共闘出来るだろ」
「人に鞘を引っ張られるとか最悪だ…」
「なら一度ここで抜いてみろよ」
「……」
一瞬の沈黙の後、ローは身を屈めて抜刀の体勢を取った。
刀身が煌めき横に一閃され……なかった。
ローがいくら頑張っても刀は10センチ程抜けずに鞘の中だ。
「なっ?」
サンジの念押しに恥ずかしくなり穴があったら入りたかった。