ONE PIECE3

□海軍基地事件簿2
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客室の準備が整いローを案内しながら先を歩くたしぎは階段前でローを振り返った。

「すいませんでした。私のせいであなたの記憶が…」

「気にしないでよ。たしぎさんに怪我がなくてよかったね」

ローはかぶりを振ってニコニコと答えた。

「でも…キャ…」

階段の一番上でたしぎは足を滑らせた。

「たしぎさん!?」

ローが素早く手を伸ばしたしぎの頭を抑えて抱き込む。

ゴスン ゴロゴロ

大きな音を立てて落ちた為、近くの海兵がよってきた。

「大丈夫ですか?トラファルガー」

「ッ…海兵は満足に階段も下りられねぇのか?」

ローの口から飛び出したのは皮肉な言葉。

表情もさっきとは違っていて眉間にシワが寄っていた。

たしぎはうれしくなり、

「良かったー」

泣き出した。

突然泣き出したたしぎにローはギョッとした。

騒ぎを聞きつけたスモーカーがやってきた。

「何を騒いでいる?」

「スモーカーさん戻りました」

「何をしたんだ?」

「たまたまですけど階段から落ちて」

「おいおい。てめぇは二度も落ちたのか?」

「えぇまぁ。でもいいじゃないですかトラファルガー戻ったし」

1人だけ会話に付いていけないローが口を挟んだ。

「さっきから何の話だ。記憶がどうとか」

「てめぇはさっき、たしぎに下敷きにされて記憶飛ばしてたんだ。で、同じ事が起きて戻ったみてえだ」

「まさか1日に二度も階段から落ちる奴なんているわけが」
「落ちました」

「スモーカー俺は何か言ったか?」

「いや礼儀正しい子供だっただけだ」

「むかつく野郎だ」

ローは海軍基地を出て自船に戻った。

17歳のローが喋ったことはスモーカーだけの秘密になった。
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