ONE PIECE3
□ハートの女王1
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一度は船の柱にがんじがらめに拘束したシーザーの体だが食事を与えるのに不便だと腕を使えるように縛り直されていた。
「おいロー。ロー」
正面の芝生で医学書を読んでいるローを手招きして呼んだ。
「なんだ?シーザー屋」
「これを見てくれ」
懐から小瓶を取り出す。
そこには透明な液体が中に入っていた。
「なんだ?」
訝しげながら手を伸ばすローにシーザーは蓋を開けるとローの手にかけた。
「………なにが…っぅ…」
「シュロロロロロロ。バカな奴だな!自分から手を出すなんて…」
「あんたがバカだから油断してたのさ。何をかけた?」
「さぁな?」
ローは胸を押さえて膝を付いた。
酷く息が切れる。
「はぁ……はぁ……つぅ…」
上体はくず折れてついに床に倒れ込んだ。
「シュロロロロロロ」
いつまでも高笑いを続けるシーザーの下にキッチンから出てきたサンジがやってきた。
「なんだ?羊野郎は何を笑ってやがる」
近付くと床にあった黒い固まりがローだと気が付いた。
「おい!!何があった?おいしっかりしろ」
ローはサンジを見上げたが意識をなくした。
「チョッパー!!チョッパー来てくれ」
キッチンにいるチョッパーを大声で呼ぶとローを床に寝かせシーザーと向かいあった。
「で、てめ〜は何をしたんだ?」
指をバキバキ鳴らして近付いてくるサンジに、シーザーはボコられた事を思い出し涙目になって語り出した。